「3大損保に強い大学」ランク 〝トヨタ自動車のおひざ元〟愛知・南山大が躍進…「損保にとって製造業は一番の顧客」
【新・親も知らない今どき入試】 有名企業の就職に強い大学を業種ごとに紹介していく、業種別就職者数ランキングの5回目は、損害保険ジャパン、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険の就職者が多い、「3大損保に強い大学ランク」をお届けする。 【高校別ランキング】東大文Ⅰ合格者数 大学通信は毎年、医学部と歯学部の単科大学を除くすべての大学を対象に就職状況調査をしている。2024年は560大学(74・0%)から回答が寄せられ、その集計値でランキングを作成した。 中古車販売大手による保険金不正請求事件など、損保業界志望の学生にマイナスイメージをもたらしそうな出来事もあったが、学生の損保離れは起きていないようだ。企業の採用支援を行うワークス・ジャパン代表の清水信一郎氏は言う。 「学生が損保でイメージする職種は自動車や火災保険となりがちなので、各社は綿密なインターンシップを行い、損保が日本を支える大企業の事業リスクを負っていることを浸透させ、理解を深めています。損保の仕事内容が学生に伝わっているので、不祥事はそれほど影響していないのでは」 ランキングのトップは、昨年1位の慶應義塾大を抜いた早稲田大。就職者数は2人増だが、慶大が11人減となったことで順位が入れ替わった。ただ、24年卒の就職者数は慶大の5506人に対し早大は8028人と約1・5倍なので、順位は抜かれても慶大が損保に強いことに変わりはない。 早慶以下は、3位同志社大、4位明治大、5位関西学院大、6位立教大まで昨年と同じ順位で並んでいる。 6位タイの南山大は、前年より16人増で8位から順位を上げている。前出の清水氏は言う。 「損保にとって製造業は一番の顧客。トヨタ自動車のおひざ元で製造業が発達する中京地区を代表する大学である南山大の就職者が多いのは納得できます」 愛知の大学では、愛知大(13人)が19位、中京大(12人)が21位などがある。地方の大学では、福岡の拠点大学である西南学院大(18人)が15位。19位には、1910(明治43)年設立の小樽商業学校を前身とする小樽商科大が入っている。商学部のみの単科大で総就職者は455人と少ないが、そのうち13人が3大損保に就職した。 一方、大規模国立大は損保の就職者が少なく、最高位は13位の大阪大(20人)で、15位京大(18人)、17位神戸大(16人)、18位東大(14人)など。「損保は投資や運用業務などの部署が充実していないため、こうした業務を望む学生が多い難関国立大の就職者は少なくなる」(前出の清水氏)