テスラ、TikTok、Airbnb 破壊的ビジネスからリーダーが学ぶべき4つの教訓
破壊的(ディスラプティブ)ビジネスとは、既存のルールを塗り替えるような製品やサービスを開発し、私たちの生活様式や働き方、人とつながる方法などを一変させる事業を指す言葉だ。アマゾンやアップル、グーグルなど、最も成功したディスラプティブビジネスが、世界でも有数の高い企業価値を誇り、その名前を誰もが知る企業となっているのも驚きではない。 筆者は、自著『The Disruptors: How 15 Successful Businesses Defied the Norm(ディスラプターたち:既存の基準に抗い、成功した15の企業)』の中で、現代において破壊的変革を成し遂げた革新的な企業15社を検証した。この中には、映画制作会社のA24から、ソーシャルメディアプラットフォームのTikTokまで、さまざまな企業が含まれている。これらの企業はすべて、自身の所属する市場で破壊的変化を起こそうとするリーダーが学ぶべき、価値ある教訓を伝えている。その中から、4つの教訓をご紹介しよう。 ■1. 社会の大問題に、恐れずに取り組む ディスラプターたちは、挑戦を恐れない。実際、挑戦をポジティブに受け止め、歓迎する。多くのディスラプティブな企業が、気候変動など現代社会が抱える最大級の問題に取り組んでいる。 その典型例が、英国に本拠を多くOctopus Energy(オクトパスエナジー)だ。同社は、より安価で環境にやさしいエネルギーを世界各国の顧客に提供し、急速に規模を拡大している。 また、気候変動の緩和に取り組むもう1つのディスラプティブな企業に、電気自動車(EV)メーカーのテスラがある。テスラは、魅力的で高速・高性能なEVを製造することで、低炭素エコノミーへのシフトの加速に一役買っている。2024年第2四半期に米国で販売されたバッテリー駆動の自動車のうち、半数近くはテスラによって製造されたものだった。 ■2. 人々の生活をより便利にする ミールキット(食材とレシピのセット)を提供するドイツの企業、HelloFresh(ハローフレッシュ)は、食事の準備にまつわる面倒さを改善することでブランドを確立した。実際、ハローフレッシュは、忙しい人たちが食事の準備にかける手間を大幅に削減できるようにした。新鮮で計量済みの食材すべてを揃えて宅配し、おいしくて栄養バランスの良い食事を手早く作れるようにしたのだ。 だが、ハローフレッシュが顧客に提供しているのは、利便性だけではない。顧客には、カスタマイズの自由も提供されている。シンプルなオンライン注文システムのおかげで、ユーザーは、フードボックスに含まれる食材や、受け取りのタイミングを選ぶことができる。 また、用意されているレシピも、ベジタリアン向けから高タンパク質のものまで、幅広い食生活に対応している。それぞれの顧客に合わせたサービスを提供することで、ハローフレッシュは、世界で最も人気のあるミールキットの地位を確立した。