テスラ、TikTok、Airbnb 破壊的ビジネスからリーダーが学ぶべき4つの教訓
「コンセプトを、誰よりも巧みに実現する」「社会に望ましい変化を起こす力となる」
■3. コンセプトを、誰よりも巧みに実現する 空き部屋シェアサービスのプラットフォーム、Airbnb(エアビーアンドビー)は、米国で不動産物件の短期レンタルサービスを提供した最初の企業というわけではなかった。だが、より使いやすいプラットフォームを開発し、明確なブランドを確立したことで、競合他社を引き離してトップに立った。 特筆すべき点として、同社は、ユーザーフレンドリーなオンライン体験の創出を最優先にして、洗練されたアルゴリズムを採用し、宿泊を検討するゲストが、自身にとって理想的な物件を見つけられるようにした。また、「コミュニティ」というコンセプトを掲げ、世界中にいる趣味や志向性が似た貸主と旅行者がつながるコミュニティを構築することで、ブランドの定着を図った。 コンセプトを効率よく形にした企業のもう1つの例がTikTokだ。2016年に中国でサービスを開始したこのエンターテインメント系アプリは、ソーシャルメディア市場への参入は比較的遅い方だった。それでも、このプラットフォームに投稿されるショートフォーム動画コンテンツが大人気となったおかげで、サービス開始から1年も経たずに、同アプリのユーザー数は1億人を突破するまでになった。TikTokは、全世界を巻き込んだ一大現象となり、現在の月間アクティブユーザー(MAU)数は10億人を超えている。 TikTok成功の要因として、ユーザーたちによって作り出される、やみつきになる魅力的なコンテンツと、非常に効率的なレコメンドエンジンを挙げられるだろう。このレコメンドエンジンは、ユーザーの視聴行動から興味の対象を学習し、関連性の高い、個人の好みに即したおすすめ動画を表示することで、ユーザーが画面から目を離せなくなるようにしている。 ■4. 社会に望ましい変化を起こす力となる カナダのトロントに本拠を置くDeciem(デシエム)は、The Ordinary(オーディナリー)やNIODといった美容系ブランドを傘下に持つ、マルチブランド企業だ。 デシエムはその目標として、美容業界に望ましい変化を起こす力になることを掲げている。創業当初から、デシエムのポジショニングは一貫している。それは、価格設定が高くなくても、消費者が望む効果を提供する、革新的で効果的な美容ブランドのインキュベーターという立場だ。 加えてデシエムは、製品の成分や原材料、価格について透明性を保っている。人々に必要な知識を提供し、自分の肌につけるものについて正確に理解してもらいたい、と同社は考えている。さらに、一般的な原材料しか使ってない製品に、価値以上のお金を払っていないか確認してもらいたい、という考えもある。 「私たちは、実際は存在しない効果をうたうことはありません」という、デシエムのニコラ・キルナー最高経営責任者(CEO)の発言は、こうした思想を端的に示している。
Sally Percy