閉経前の月経不順と、子宮がんの不正出血を間違えないで!【更年期症状と間違えやすい病気に要注意! ⑥】
閉経前になると月経の周期が乱れて、その影響で突然出血することがある。それを閉経のお知らせだと思っていたら、子宮がんが隠れていた…ということも! そのサインを見逃さないために知っておきたいことを、女性医学の専門医である小川真里子さんに伺った。
2週間続く出血に要注意!
「更年期に入ると、それまでは定期的に排卵して2種類の女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌の波を作って、月経を起こしていた卵巣の機能が低下していきます。そしてやがて月経が完全に停止した状態を『閉経』といいます」(小川先生) 閉経に向かう数年前から月経に変化が起こる。 例えば、「月経がきたと思ったらすぐに終わった」「周期が短くなった」「逆に周期が長くあくようになった」「経血量が少なくなった」「大量に出血する」「ダラダラと出血が続く」など、これは人それぞれに違う。 「『しばらく月経がこなかったのでもう閉経だと思っていたら、半年ぶりにきた』ということもあります。注意したいのは、これが更年期による月経異常なのかどうかです。なかにはそれが不正出血で子宮がんだったというケースがあるので注意が必要です」 確かに閉経に伴う月経異常のパターンはいろいろあり、人によって違うと聞くので、久々にあった出血が月経の名残なのか、不正出血の類いなのかは自己判断が難しいところ。 「実際にあった患者さんでは、ちょろちょろといった出血が続くので、最初は閉経に向かう月経不順の影響だと思っていたようです。しかし、それが数カ月も続いたので、さすがにおかしいと思って来院されました。結果は子宮体がんでした。 ひとつの目安は2週間以上出血が続くようなら、婦人科に相談してください。確かに、閉経に伴う場合も出血が10日くらい続くことはあるのですが、2週間※1を超えたら検査を受けることをおすすめします」 ※1:この日数にガイドラインはなく、小川先生が日々診察をしていて感じる経験値です。