自転車業界で「さまざまなテスト」が開始!?“新しい自転車業界のリーダーズ”栗村修が解説「2024年の注目トピックス」
◆2024年の展望③ 交通ルールの周知に向けて…
野島:ラストでございます。『栗村修の学べる自転車ニュース 2024年の展望編』、3つ目のテーマは? 栗村:自転車に“青切符”導入か? です。 野島:解説をお願いします。 栗村:これまで自転車の取り締まりは“赤切符”が設定されていましたが、これは切られてしまうと重い罰を受けないといけませんので、なかなか気軽に切れない側面がありました。例えば、自転車の右側通行や逆走、一時停止違反といった軽微なものではなかなか取り締まれなかったんです。 一方、車の取り締まりには赤切符の他に、捕まっても罰金を支払って終わる“青切符”があります。自転車もこれに近い制度を導入しようということで、これもある種のテストですね。まだ導入時期などはわかりませんが、2024年に始まるかもしれないということです。 野島:交通ルール、自転車の安全面についてはこの番組でもよく取り上げていますが、確かに赤切符は厳しすぎて、警察もおいそれと注意できなかった側面があるんですね。 栗村:前回の放送でもお話しましたが、今は“自転車(二輪)戦国時代”というか、自転車の電動化、いわゆる電動アシスト自転車がどんどん進化していますし、電動キックスケーターや電動バイクなど新たなジャンルの乗り物もあります。 そうしたなかで、パッと見タイヤが太い自転車に見えるものの、構造上、法律的には自転車ではなくバイクみたいなジャンルのものがなぜか歩道を走っていたり、かなりカオスな状態になっているんですよね。 今、自動車事故が減ってきている反面、自転車の事故は増えているんです。私も自転車通勤を始めて改めて感じるのは交通ルール。例えば、道路上にナビラインと言われる自転車の走行帯がひかれ、昔より全然走りやすくなっているにも関わらず、逆走する自転車がまだまだいるんです。 普通に考えて、オートバイが逆走するってありえないじゃないですか。でも、自転車だと許されてしまう。あとは、信号を守らない方もたくさんいます。そして、結果的に歩道上での歩行者との接触事故だったり、自転車と車の事故が起こるわけですが、その大半は道路上の基本ルールを守らないことが原因なんです。 野島:安全運転をしていて事故を起こしてしまったのではなく、そもそもルールを守っていないことが多いと。 栗村:そうです。そして、ルールを守らない理由は2つで、1つはそもそも交通ルールを知らないこと。小学生のときにちょっと習った程度で、信号を守ることはみんな知っていると思うんですけど、左側通行すら知らない方、通行可能な歩道もありますが基本的には車道を走ることを知らない方も多いんですよね。だから、まずは交通ルールを知らない方々に周知することをどんどんやらないといけないと思っています。 あとは、交通ルールを知っていても「自転車だから……」「みんな守っていないから……」「みんな逆走しているから大丈夫」とか思っている人も多い。これをどうしたら正常化できるのか、諸外国のように自転車は車両の一部だと理解してもらえるのか? ということに対して警察庁が出した1つの答えが“青切符”なのかもしれません。賛否両論ありますが、青切符を導入することで皆さんに交通ルールを周知していくということだと思います。 野島:ありがとうございます。ということで、今回も2週にわたってたっぷりお話いただきましたが、いかがでしたでしょうか? 栗村:今回はマジメなお話も多かったですが、やはり2024年は変化の年になると思いましたので、ちょっと語らせていただきました。 野島:確かにいろいろと変化を感じる展望でございました。今後は2024年5月に開催する「ツアー・オブ・ジャパン2024」の準備でさらにお忙しくなると思いますが、お体に気をつけて、あまり無理をせず、そして12月30日にはいい誕生日を迎えていただきたいと思います。 栗村:ありがとうございます。「ツアー・オブ・ジャパン」の仕事に就いて10年になるので、やはり大切にしていきたいと思いますし、2024年は5月19日(日)、大阪・堺を皮切りに8ステージ(国内8カ所)で開催いたしますので、ぜひ現地で観戦いただければと思います。 野島:僕も東京ステージにパレード走行で参加予定なので、よろしくお願いします。 栗村:8年契約の3年目、契約を更新したばかりですから、60歳まで頑張りましょう。 野島:複数年契約だったんですね(笑)。ありがとうございます。来年もよろしくお願いします。 野島:よろしくお願いします! (TOKYO FM「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」2023年12月24日(日)放送より)