2つの「脳の記憶」傾向を利用し、効率的に暗記するコツ
複雑な仕組みの脳ですが、短期記憶に7個ほどの情報しか保存できないといった脳の基礎知識を理解すると、より多くの情報を記憶できるでしょう。 また、情報の量だけでなく、覚える順番も重要です。これらを理解すれば、より多くのことを記憶しやすくなります。
プライマシー効果、リセンシー効果とは?
アメリカ心理学会は、初頭効果(プライマシー効果)を次のように定義しています。 初頭効果(プライマシー効果)…最初に提示された事実、印象、アイテムが、後から提示されたものよりも、記憶しやすい傾向 この効果は、学校の勉強など目的を持って勉強しているときや、パーティで出会って話した人を記憶するなど、楽しいことを記憶しようとしているときに生じることがあります。 また、ある人について最初に知った情報が、その人を見る目を極端に左右することもあり、これは「第一印象バイアス」と呼ばれています。 こうした効果は、より広範な「直列位置効果」と呼ばれるものに属しており、この領域には、最後に調べたことが記憶に残りやすい「新近効果(リセンシー効果)」も含まれます。 これは、最後に取り入れた情報が作業記憶にもっとも強く残っているためでしょう。 短期記憶に保存できる7つの事柄は、この効果の結果です。
「プライマシー効果」と「リセンシー効果」を勉強に生かすには
プライマシー効果とリセンシー効果により、勉強の途中で覚えたことは、記憶として定着しにくいことがわかります。 ですから、単語や概念のリストのようなものを勉強しなければならないときは、毎回同じ順番で勉強するのはやめましょう。 フラッシュカードをつくり、勉強する時間や順番を変えましょう。フラッシュカードは、使うたびにシャッフルしてください。 また、記憶しにくい概念がある場合は、勉強の最初と最後にその概念の勉強に集中するようにすると、脳に定着する可能性が高くなります。 ──2023年5月31日の記事を再編集のうえ、再掲しています。 訳:春野ユリ Source:American Psychological Association
ライフハッカー・ジャパン編集部