精神科医に聞きました!「ママ世代のメンタル不調」…疲れの背景にあるものとは?クリニックに行く目安は?
目の前に“誰かのための仕事”が積みあがっていると、どんなに疲れていても、自分自身のことをつい後回しにしがちです。皆さんは、育児、家事、仕事の“やることリスト”に追われていませんか? 【画像5枚】尾林誉史先生が医療監修するコミック『群青のカルテ』の一場面を見る! 「体が“疲れた”と感じた時点で、積極的にリフレッシュの機会を持ってほしい」と語るのは、精神科医・産業医の尾林誉史先生です。 尾林先生は、椎名チカさんの最新コミック『群青のカルテ』(小学館)の医療監修を担当されています。同作の主人公は思春期の娘を持つ精神科医。職場や家庭、学校で閉塞感を抱えている人に寄り添う内容となっています。 今回は、尾林先生に仕事や育児で多忙な日々を送る『kufura』世代のメンタル不調のサインや、不調との向き合い方についての質問に答えていただきました。
Q:「メンタルの不調」ってどんな状態?不調のサインとは?
尾林先生:“メンタル不調”は、“心の水位”が下がった状態です。 メンタル不調で相談にきてくださった方には「多くの場合、まず体が悲鳴をあげてから心が悲鳴を上げるんですよ」とお伝えしています。メンタルの不調と体の不調は別のものだと思われるかもしれませんが、疲れているときには、体からサインが出ています。 女性の場合は、頭痛、めまい、貧血症状、生理のサイクルの乱れ、膀胱炎など。人によって異なります。 心と体の症状を見たうえで「これまでの不調は体が処理していたけれど、今はストレスによって体が処理できていない状態かもしれません」とお伝えすることもあります。 体の悲鳴に目をつぶって頑張り続けてしまうと、心のほうに症状がじわじわと影を落としてきます。心の水位の低下のサインとしては、以下のような項目があげられます。 1. なんだかうつうつとしている 2. 大好きなことに楽しんで取り組めていない 3. 「よく眠れた」と感じられていない 4. いつもの食事習慣と比べて食欲が落ちた 5. おっくう感があってやる気が起きない 「これまでできていたことが、以前のようにできなくなった」という状態がある程度の期間にわたって継続しているのが“心の水位”が下がった状態です。