アルカラス、世界4位ズベレフを下して全仏オープン初制覇! 4時間19分の激闘制す[全仏オープン]【テニス】
アルカラス、ズベレフを下して全仏オープン初制覇
現地6月9日、「全仏オープン」(フランス・パリ)男子シングルス決勝が行われ、第3シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク3位)が、第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同4位)を6-3、2-6、5-7、6-1、6-2で下して同大会初優勝。グランドスラム通算3度目のタイトルを獲得した。 【動画】アルカラスの強烈スピンで放った華麗なパッシングショット! ズベレフも見送るだけ 大会直前に右腕前腕の怪我もあったものの、順調に勝利を重ねた21歳のアルカラスは、準決勝で今年1月の全豪オープンでグランドスラム初優勝を果たし、今大会後に世界1位となる第2シードのヤニック・シナー(イタリア/同2位)を4時間9分の死闘の末に2-6、6-3、3-6、6-4、6-3で撃破。今大会では初めての決勝となり、2022年全米オープン、2023年ウィンブルドンに続いてグランドスラム3勝目に王手をかけた。 全仏オープンで初めてのタイトルに向け、「この大会には特別な思い入れがある。学校が終わると、テレビをつけてこの全仏オープンを見るために家に走っていたことを覚えている。この大会を制したスペイン人選手のリストに自分の名前を並べたい。ラファエル・ナダルだけじゃなく、フェレーロ、モヤ、コスタら多くのスペイン人選手、この大会を制したレジェンド達にね」と意気込んだ。 決勝の相手となったのは、1回戦で今大会を14度制したラファエル・ナダル(スペイン/同275位)を破ったズベレフ。2回戦で元世界7位のダビド・ゴファン(ベルギー/同115位)をストレートで下すと、3回戦以降は4人のシード勢を撃破。準決勝では2年連続準優勝の第7シード、キャスパー・ルード(ノルウェー/同7位)を破って、4年連続の準決勝で初めて決勝への切符を手にした。ズベレフにとってグランドスラム決勝は、2020年全米オープン以来である。 両者の対戦成績は、5勝4敗でズベレフが勝ち越しており、10度目の対戦となったこの日の試合。どちらが勝っても全仏オープン初優勝となり、その緊張感からか序盤は両者動きが硬く、ミスが出て互いにブレークする。だが、徐々にアルカラスが力強いショットでズベレフを押し込み始めると、第5ゲームで2度目のブレークでリード。5-3でもズベレフのサービスゲームを破り、6-3で第1セットを奪った。 この勢いを第2セットでも維持したいアルカラスだったが、ミスが立て続けに出て第5ゲームで先にブレークされてしまう。その後もズベレフが精度の高いショットを放ってアルカラスはなかなか攻めることができず。第7ゲームでズベレフがリードを広げて6-2でセットを奪い返した。 優勝へ一歩前進するため何としても欲しい第3セット、アルカラスが第6ゲームでワンチャンスを生かして、ブレークに成功。積極的なプレーが出てきて流れを掴んだかに思えた。だが、5-3のサービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームでズベレフがラリー戦を制して追いつくと、第11ゲームもブレーク。ピンチから一転してリードを奪い、そのまま7-5とズベレフがグランドスラム初優勝にあと1セットとした。 巻き返したいアルカラスは、第4セット第2ゲームでズベレフの横をきれいに抜くパッシングショットを決めて先にブレーク。観客も巻き込んで自らのペースに引き込む。第4ゲームもブレークしたリードを守り切って、6-1で試合をイーブンに。試合はフルセットにもつれた。 勝負の最終セット、試合が動いたのは第3ゲーム。ズベレフのボレーミスやダブルフォールトなどで手にしたチャンスを生かしたアルカラスがブレークに成功する。直後には0-40から計4度のブレークポイントをしのいだ。精神面で一気に崩れてもおかしくない状況のズベレフは、粘り強く返球しミスを誘って勝利への執念を見せる。それでもアルカラスに一歩及ばず。第7ゲームもブレークしてリードを広げたアルカラスが、4時間19分の死闘を制して全仏オープンで初優勝。グランドスラム通算3度目のタイトルを獲得した。 なお、ドイツ人男子として1996年のミハエル・シュティッヒ氏以来、2人目の全仏オープンに決勝に進んだズベレフ。2度目のグランドスラム決勝でまたしてもフルセットで競り負け悲願のグランドスラム初優勝とはならなかった。
Tennis Classic 編集部