【スプリンターズS】短距離路線はフォーティナイナーの血が大活躍 血統からの注目馬はウインマーベル
有力馬の血統を解説
・サトノレーヴ 母チリエージェは芝とダートの1400m以下で5勝を挙げたサクラバクシンオー産駒のスプリンターで、繁殖牝馬としても2013年スプリンターズS2着馬ハクサンムーン(父アドマイヤムーン)を輩出しています。ロードカナロア産駒の本馬も短距離路線で頭角を現してきましたが、柔軟で末脚の伸びにも優れる父の産駒は中山芝1200mよりも中京芝1200m向き。先行力があるため苦手とする舞台ではないものの、相対比較では評価がやや下がります。 ・ママコチャ 母母シラユキヒメに遡る白毛一族で、母ブチコはダ1800mで4勝を挙げたダート中距離馬。本馬の父クロフネはカレンチャンというスプリント女王を出しており、シラユキヒメ牝系のクロフネ産駒にはマイルGⅠ・3勝馬ソダシがいます。マイラー寄りの配合形ではありますが、スタートセンスや機動力を武器に昨年のスプリンターズSを制覇。夏場に調子を上げるタイプでもあり、今年も楽しみな一頭です。 ・ウインマーベル 父アイルハヴアナザーは米クラシック二冠馬で、今年の登録馬では唯一のフォーティナイナー系産駒です(除外対象のモリノドリームは母父がフォーティナイナー系)。スプリントGⅠでは先行力で劣るものの、父はDanzigの4×4など機動力に優れた配合形で、頭の高い走りをする本馬も馬群を捌くことは得意。2022年の2着馬でもあり、内枠を引ければ再度の好走があっても不思議はない血統注目馬です。 ライタープロフィール 坂上明大 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
坂上明大