堅守支えるも痛恨「ゲームを壊した」 柏DF「1つ失敗したら次がない」…最終ラインの責任
浦和FWサンタナのシュートが立田の手に当たりハンドの判定に
柏レイソルは10月23日に行われたJ1リーグ第25節の浦和戦に0-1で敗れた。試合終了間際までスコアレスで推移していた試合だったが、後半アディショナルタイム5分に浦和はFWチアゴ・サンタナが振り向きざまにシュートを放つと、これがDF立田悠悟の手に当たる。主審はプレーを流したが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によって判定は覆り、浦和にPKが与えられた。これをFWチアゴ・サンタナが決め、勝ち点39で並んでいた両チームの勝ち点差は開いた。 【動画】「初めてみた」「貴重なシーン」 柏DF、“高速イエロー2枚退場”の珍ジャッジ場面 浦和は試合終盤、途中出場していたMF原口元気、MF中島翔哉、MF関根貴大を中心に柏の守備をこじ開けにかかっていた。そして原口の縦パスが関根に入ったところから、クロスが入ってチアゴ・サンタナのシュートへとつながっている。ボールが入った時にチアゴに身体を寄せてシュートコースを消そうとした立田だったが、シュートが手に当たりPKを与えてしまった。 ミックスゾーンで取材に応じた立田は「仕方がないと言えば、そうかもしれませんが、ああいう判定に至ってしまったのは自分の実力不足。結果的に突っ込むしかなかったとは思うけど、間違いなくゲームを壊したので、責任を感じている」と、コメントした。 柏は直近4試合で町田戦(1-1)のPKによる1失点しか喫していなかった。第33節の横浜FM戦(1-0)から3試合連続で先発出場している立田は、最終ラインを支える活躍を見せ、この浦和戦でも堅い守りを見せていた。「役割としては、自分が前でアタックして古賀(太陽)選手がカバーをしている。もとから(役割分担を)やろうとしてやっているわけではないけれど、彼が気を使ってやってくれている。そこは良いバランスだと思う」と、最終ラインを支えられている感触を口にする。 さらに「自分の立場としては、1つ失敗したら次がない状況なので、思い切りやるしかない。チーム状況も後ろ向きになれる状況ではない。自分ができなかったら先輩がいるので、自分は思い切りやるだけ」と、ポジションを争う清水下部組織の先輩でもあるDF犬飼智也の存在も自身のプレーにつながっていると語った。 手応えを感じているからこそ、「迷惑をかけたことは間違いないけれど、悲観しすぎることはない」と語った立田だが、この試合で悔しかったのがかつてのチームメイトであるFWチアゴ・サンタナにゴールを許したことだったという。「チアゴに点を取られたのが悔しい。しかも自分が与えたPKで。そこに悔しい気持ちはある」と、唇を噛んだ。 だが、この敗戦に立ち止まっているわけにはいかない。残り4試合、残留圏にいる柏は自力で残留を決めることができる。「自分たちで追い詰めたことは間違いない。残り試合、もちろん全部勝つつもりでやるし、そこ(できていた守備)は続けてやっていく」と、勝ち点を逃した責任を強く感じつつも、継続していくべきことに目を向けた。
河合 拓 / Taku Kawai