はやぶさ2最後のミッション JAXA会見(全文3)ローバーの名は「ウルラ」
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、記者会見を開き、「はやぶさ2」の小惑星「リュウグウ」へのターゲットマーカー分離運用と、小型探査ロボ「MINERVA(ミネルバ)II-2」分離運用結果を説明した。 【動画】はやぶさ2最後のミッション 小惑星探査ロボの投下状況は? JAXAが会見 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「はやぶさ2最後のミッション 小惑星探査ロボの投下状況は? JAXAが会見(2019年10月28日)」に対応しております。 ◇ ◇
全てのカメラで撮像に成功
吉田:私どものローバーの運用に関しまして9月24日の記者説明会で周回運動をさせるということで、重力場の推定に貢献するということを申し上げさせていただいてましたけれども、実際、高度1キロメーターでローバを分離してリュウグウの周回軌道に投入することには成功いたしました。実際はもうちょっと回数多く回ってほしかったんですが、1.25回、1と4分の1周で表面に着したであろうと考えております。分離後の運動に関しましてONC-W1、ONC-W2、そしてONC-Tという3種類のカメラで撮像すると。これはいずれも全てのカメラで撮像に成功しているところでございます。 また、さらに、前回あまり詳しくお話をしていなかったんですが、通信系ができておりましたので、通信系のオン、オフの状況によってリュウグウへの、表面っていうのは、ほぼ確実であるということを確認しておりますし、さらにこれは、通信は継続をしているところでございます。また、オン、オフだけではなくて測距の、距離を測る、知るのにヒントとなるような信号も得られておりますので、これらも含めて得られたデータを詳細に分析することによって、軌道運動についてさらに知見を深めることが可能であるというふうに考えているところであります。 私から最後のスライドになりますけれども、このローバー、今回名前を付けさせていただこうというふうに考えております。MINERVAという名前はすでにラテン語でローマ神話の女神ということでございまして、Rover-1A、Rover-1Bに関しましてはイブー、アウルという、ミミズク、フクロウにちなんだ名前が付いているところでございますが、私どもはウルラ、これはラテン語でフクロウという意味ですけれども、この名前を付けさせていただこうと考えております。University-made Landing Unit for Locomotion on Asteroidというのの略であるという位置付けもさせていただいているところでございます。私ども、この3つ目のローバでございますが、3台合わせてフクロウ3兄弟という仲間に加えさせていただければというふうに願っているところでございます。私からの説明は以上でございます。