1日1回の歯磨きではダメな理由とは?
この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 ------------------------------------------------------------------------ 歯磨きの回数は、歯や口腔内の健康と密接に関係している。微生物学者でもある口腔外科医が解説する。 2回──これがフランス口腔衛生協会が推奨する、1日の歯磨きの回数だ。だが、このアドバイスが洗面所というプライベート空間でどれほど守られているかはわからない。1日1回しか歯を磨かないと、一体どんな危険に晒されるというのだろうか?
細菌の巣窟
しきりに推奨されている1日2回の歯ブラシのうち、1回を怠ることで、私たちは何よりも病原菌の増殖に晒されることになる。微生物学者で口腔外科医のエロディ・テレールは以前の記事で、歯ブラシは歯石と歯垢を除去すると説明しているが、それらは善玉菌と悪玉菌、どちらの菌も蓄積する温床となるものだ。 菌の増殖の結果、口腔内細菌叢のバランスが崩れ、歯を守っているエナメル質も脆くなる。その続きは目に見えている。粘膜の炎症と、虫歯の発生だ。最終的には、歯肉炎などの歯周病が発症し、「感染が身体の他の部位に広がる可能性もある」という。そのため、糖尿病や心血管系の疾患を患っている人は、持病を悪化させる可能性のある歯科衛生には、特に注意する必要があると話す。
口臭と歯の着色の原因にも
当然のことだが、歯磨きは口臭にも影響を与える。「蓄積した複数の細菌の相互作用によって、メタンや硫黄のような悪臭を放ちはじめ、口臭の原因になります」とテレールは注意を促す。また、「なかには、唾液腺が歯石や歯垢によって塞がっていて、より大きな影響を受ける人もいる」のだという。 お茶やコーヒー、タバコによっても歯は着色する。歯磨きが不足すると、こうした沈着物は細菌の繁殖も促すという。これらを解決する方法はただ一つ......歯磨きはきちんと2回しよう。 text: Barbara Danel (madame.lefigaro.fr) translation: Shion Nakagawa