ジェネレック“スピーカーとヘッドホンの垣根超えた”「UNIO PRM」。周波数特性管理×個人最適化
ジェネレックジャパンは、Genelecブランド初のリファレンスヘッドフォン「A8550」を含む、リファレンスモニタリング「UNIO PRM(Personal Reference Monitoring)」を発表した。発売は2025年初頭を予定している。 【この記事に関する別の画像を見る】 ■ スピーカーでもヘッドフォンでも同じ音色、同じ定位を UNIO PRMは、SAMリファレンス・コントローラー「9320A」と、プロフェッショナル・リファレンス・ヘッドフォン「8550A」で構成される。 8550Aはフィンランド・イーサルミにある本社工場にて厳密に特性を管理した上で出荷。シリアル単位で周波数特性が管理される。このヘッドフォンを、スピーカー・マネージメント・ソフトウェア「GLM(Genelec Loudspeaker Manager)ソフトウェア」を介して、ヘッドフォン・アンプとしての役割を果たす9320Aにシリアル単位でヘッドフォンの特性を読み込ませることで、フラットな周波数特性を実現する。 8550Aは「UNIO PRM」として9320Aと共に販売されるが、すでに9320Aを使っているユーザーの場合、Genelecのユーザー・ページ「MyGenelec」へ製品登録をした後で、購入できるようにする予定。 また、スピーカーとヘッドフォンの垣根を超えて、信頼の置ける同じリファレンス・モニタリング環境を実現するためには、音の聴こえ方も考慮する必要がある。 室内環境に加え、体型や顔の形など、個人に起因する影響を受けるスピーカーと、振動板から直接、耳に音が届くヘッドフォンでは、音の聴こえ方に大きな違いがある。これらの関係を同じものにするためには、ヘッドフォンでもスピーカー再生で生じる影響を再現することが必要となる。 そこでUNIO PRMでは、Genelecのヘッドフォン向け個人最適化技術「Aural ID」を活用。個人ごとに異なる頭部伝達関数(HRTF)を活用した最適化技術で、iOS/Android OSに用意される「Aural ID Creator App」を使い、スマートフォンで上半身、耳の形を詳細にスキャン。カメラを用いるため、部屋の影響を受けることなく、正確なHRTFのデータが得られるという。 このAural IDの個人最適化技術とUNIO PRMを組み合わせることで、「音色や定位といったミックス時の判断における根本的な要素を、モニター・スピーカーの再生時と極限まで近いものとすることができる」という。 根本的に聴こえ方の異なるスピーカーとヘッドフォンでは、これまで同じリファレンス環境を共有することは難しいものだったが、「UNIO PRMは、スピーカーとヘッドフォンという垣根を超えて、これまでにないオーディオ・モニタリング体験を皆様に提供し、リファレンス・モニタリングを次のステージへと引き上げる」としている。 ヘッドフォンの8550Aは、ベルベットおよびレザーのイヤー・パッド/ヘッドパッドと、L/R側いずれにも接続できる片出しのストレート・ケーブルおよびコイルタイプ・コードが付属。 GLMソフトウェアを介して行なうことができる設定では、イヤー・パッド/ヘッド・バンドの素材、ケーブルの種類、さらに接続しているチャンネルを選択可能。それぞれに最適化させた状態でモニタリングできる。
AV Watch,山崎健太郎