「メディアが選挙期間中にもっと報道すれば、投票率も違う」放送時間は20年で半減…選挙報道とテレビの役割を検証【報道特集】
この発言の2日後、自民党は在京テレビ各局に、ある文書を送っていた。 差出人は、今回非公認ながら当選した萩生田光一氏。当時の自民党筆頭副幹事長だった。 当時の文書 「これから選挙が行われるまでの期間におきましては、さらに一層の公平中立、公正な報道姿勢にご留意いただきたくお願い申し上げます」 具体的に、出演者の発言回数と時間、ゲスト出演者等の選定、街角インタビューの内容、といったものに公平中立、公正を求めるものだった。 放送法には、番組の編集にあたって「政治的に公平であること」と定められている。 山本恵里伽キャスター 「こちらの文書が各局に渡ると、具体的に何が問題になりますか?」 立教大学メディア社会学科 砂川浩慶 教授 「自分たちが考える公平公正というのを、あたかも錦の御旗のようにして言っている。こういう文書を出すことは結局、放送局の表現の自由というものをないがしろにしている。それを免許権限を持ってやっているので、非常に問題ですよね」 さらに、この政治的公平をめぐっては2016年、当時の高市総務大臣の発言が国会で議論になった。 放送法に違反した場合、総務大臣は放送事業者に業務の停止を命じることができるが、高市氏はこの「電波停止」に触れたのだ。 高市早苗 総務大臣(当時) 「電波の停止は絶対しないと、私の時にするとは思いませんけれども、何度行政の方から要請をしても、全く(放送法を)遵守しないという場合に、その可能性が全くないとは言えません」 高市氏は、放送内容が極端な場合、電波停止を命じる可能性を否定しなかった。 野党から追及された安倍総理は… 安倍晋三 総理(当時) 「高圧的に言論を弾圧しようとしているのではないかというイメージを一生懸命印象づけようとしておられると思いますが、これは全くの間違いであると申し上げておきたいと思います。安倍政権こそ、我々与党こそ、言論の自由を大切にしていると思います」 自民党政権が求めた放送法の「政治的公平」。