【田辺裕信のゆる~い話】見栄えは悪いが…冬毛は伸びても能力発揮に影響なし
今週から寒くなるようですが、気温20度を超える日もあるなど、そろそろ12月になるとは思えない感じですよね。この時季はそこまで多くはありませんが、いわゆる冬毛が伸び始めている馬もいます。 冬毛については、毛が長くなる馬は代謝が良くないとかいろいろ言われますが、乗っていて汗の量が少ないとか、動きが良くないとか、そういうことを感じることはありません。 同じような飼料管理、調教をしていても、馬によって差があるのは、たぶん体が寒いと感じて毛が自然と伸びるんでしょうし、その差のように個人的には思います。逆に暖かくなってもなかなか冬毛が抜けない馬もいるんですよね。 毛が長いと体のシルエットがはっきりしなくなりますので、ぼやっと見えやすいはずですし、毛そのものにつやも感じづらくなりますので、いわゆる〝いい体〟には見えづらくなります。羊を思い浮かべていただくと、わかりやすいかもしれません。羊は毛を刈られてしまうと、一気に小さく見えますよね。 馬もおなかや首、あるいはトモ(後肢)の一部の毛を短く刈っている馬もいます。特に、馬術の馬に多いように思います。あくまで見栄えということでしょうね。ただ、馬は寒いんじゃないかと思いますよ(笑)。毛が長くなっていると、洗ったときに乾きづらくなるのはありますが、能力発揮に影響が出ると感じることはないですね。(JRA騎手)