ミームコインの時価総額が1400億ドル(21兆円)超え、暗号資産エコノミーの中で大きな存在感
ミームコインは、誰もがファンとまでは行かなくても、暗号資産関係者の大きな注目を集めていることは間違いない。データは、暗号資産エコノミーにおいても、そのシェアが拡大していることを示している。 ドージコインや柴犬コインなどに代表されるミームコインは、暗号資産取引所CEX.IOの新しいレポートによると、12月1日時点で、暗号資産の時価総額の3.16%を占め、年初の1.3%から増加している。巨大銘柄のビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を除くと、そのシェアは4.2%から11.21%に跳ね上がる。 これは大きな金額だ。ユーティリティをほぼ持たない暗号資産が1400億ドル(約21兆円、1ドル150円換算)以上(CoinGeckoのデータ)の市場価値を持っている。本質的にきわめてボラティリティの大きなミームコインは、動物やインターネット上で広がったジョーク、政治的な人物や出来事にちなんで名付けられる傾向がある。 ビットコインが初めて10万ドルの壁を突破したように、ミームコインも急騰している。ドージコインは、トランプ氏の当選が暗号資産市場を後押しするなかで、168%も急騰。CoinDeskのデータによると、ドージコインは現在、時価総額640億ドル、第7位の暗号資産となっている。 問題は、これが最近の強気相場の初期段階におけるただの値動きなのか、それとも過熱の前兆なのかだ。 「過去のサイクルでは通常、ミームコインは半減期後の強気相場の終盤に、最大の資本ローテーションを経験することが多かった」とCEX.IOのプロダクト管理担当バイスプレジデントのアレクサンダー・ケルヤ(Alexandr Kerya)氏は、CoinDeskにメールで述べた。 半減期とは、ビットコインのマイニング報酬が50%削減されるイベントを言う。4年に1度起こり(直近では2024年初頭)、暗号資産市場の上昇としばしば相関関係がある。 「しかし、今回のサイクルは、半減期よりもかなり前に起きたミームコインの影響力の大幅な上昇と、ビットコインの今年中盤の調整期間にも持続したことで際立っている」とケルヤ氏は続けた。 代表的なミームコインであるドージコインは、2013年にジョークとして作られ、2021年に終わった強気相場において、テスラCEOのイーロン・マスク氏が繰り返しSNSに投稿したことで大きな注目を集めた。柴犬コインなど、同じように犬をモチーフにしたミームコインは、ドージコインの人気にあやかるうちに時価総額が数十億ドルに達した。時が経つにつれてミームコインは、独自の暗号資産投資カテゴリーとして考えられるようになり、DeFi(分散型金融)トークン、AI(人工知能)トークン、プライバシーコインなどと同じ位置づけとなった。 「ミームコインはいずれ、DeFiトークンと同様に頭打ちになる可能性はあるが、市場はまだ均衡がどこに確立されるかを決定するプロセスにある」(ケルヤ氏)