ミームコインの時価総額が1400億ドル(21兆円)超え、暗号資産エコノミーの中で大きな存在感
市場シェアを奪う
さらにレポートの内容を見てみよう。ミームコインは今年初め、爆発的な成長を遂げた。Pump.fun(ユーザーが簡単にミームコインを発行できるソラナベースの暗号資産プロジェクト)で発行されたミームコインは、2月の1日あたり数十件から3月には数千件に増加した。現在では、1日に6万枚以上のミームコインが誕生しており、その半数はPump.funで作成されている。 1月1日から12月1日までに、ミームコインの時価総額は330%増加。ちなみに、ビットコインは140%上昇、イーサリアムは71%上昇している。ミームコインの取引高は同期間に979%増加し、現在では暗号市場の取引高の5.27%を占めている。さらに、暗号資産エコノミーの他の分野が低下傾向にあるなか、ミームコインは6月、高い取引高を維持した。 「新規投資家の入口として、ミームコインの成長は、暗号資産市場における個人投資家が作り出すストーリーの影響力が拡大していることを示している。感情に基づく投資として、市場の楽観主義と半減期後の上昇の継続を予想していることを反映している」とケルヤ氏は書いている。 「しかし、ミームコインのシェアが拡大するにつれ、投機的なバブルがより早く出現する可能性も浮き彫りにしている。これは強気相場の激しさを増幅させる可能性があるが、その期間を短くする可能性もある」 ミームコイン分野は変化を続けている。2021年、ドージコインと柴犬コインが取引高と時価総額で圧倒的なシェアを占めていた。それに対し、2024年にはドッグウィフハット(dogwifhat:WIF)、ブレット(Brett:BRETT)、ピーナッツ・ザ・スクイレル(Peanut the Squirrel:PNUT)、ポップキャット(Popcat:POPCAT)など、さまざまな新しいミームコインが時価総額トップ100にランクインした(またはそれに迫った)。 また、3月までは多くのミームコインは「犬」をモチーフにしたものだったが、その後は「猫」や「AI」をモチーフにしたミームコインが犬からシェアを奪っている。政治をテーマにしたミームコインも11月の米大統領選までは好調だったが、その後、取引高は80%減少した。 取引が行われるチェーンも変化している。ドージコインは独自のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)ブロックチェーンを持っている。ビットコインブロックチェーンを模倣したものだ。また、ペペ(pepe:PEPE)やMAGA(TRUMP)といったイーサリアムブロックチェーンベースのミームコインも人気を集めている。しかし、Pump.funにより、2024年のミームコインブームの大きな勝者はソラナ(Solana)ブロックチェーンとなった。ソラナは、この分野の取引高の30%、時価総額の15%を占めている。 一方、テレグラム(Telegram)のTONブロックチェーンのミームコインの取引高は、この6カ月で750倍に増加した。ただし時価総額は、ミームコイン全体のまだ1%しか占めていない。 「ミームコインが個人投資家の関与とDeFiプラットフォームの収益創出を後押しする能力を考慮すると、2025年にはこのトレンドを活用するために、ローンチパッド(発行プラットフォーム)と分散型取引所のより強固なインテグレーションが起こる可能性がある」とケルや氏。 「しかし、ソラナのようなエコシステムでは、ミームコインへの過度な依存が懸念材料となっており、最終的には逆効果となり、広範な発展に悪影響を及ぼす可能性がある」 |翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部|画像:柴犬(Shutterstock)|原文:Memecoins Reach $140B Market Cap and Gain Ground in Crypto Economy
CoinDesk Japan 編集部