ユーロ圏の銀行、融資需要が回復 金利低下が寄与=ECB調査
[フランクフルト 15日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が15日公表した調査によると、第3・四半期のユーロ圏の銀行融資需要は増加した。第4・四半期もさらに増加する見通しという。特に住宅ローンの需要が拡大した。 調査は大手行156行を対象に実施した。ユーロ圏では高金利や景気低迷を背景に融資が伸び悩んでいる。 「全体としては低迷が続いているものの、銀行は2022年第3・四半期以降初めて、企業向け融資の需要、与信枠からの引き出しが小幅に純増したと報告した」とし「住宅ローン需要は大幅な純増となった」と述べた。 企業向け融資では、金利低下が需要を押し上げる要因となった。家計向け融資の需要は金利低下と住宅市場の見通し改善を背景に増加した。 第4・四半期は、特に住宅ローンなど全ての融資セグメントで需要がさらに純増すると見込まれている。 利下げが利ざや圧縮につながることを背景に、銀行は22年末以降で初めて、ECBの金融政策が利ざやに悪影響を及ぼしたと報告。 「銀行は、ECBの金利政策に関連した利ざやへの悪影響が差し引きで強まり、全体の利益率が22─23年の引き締め局面に達した高水準から低下すると予想している」という。 企業向け融資の審査基準に変化はなかったが、第4・四半期は厳格化が予想されている。審査基準は2年以上連続で厳格化されていた。 住宅ローンの審査基準は緩和された。今後さらに緩和される見通しという。