【独自】自民過半数割れ必至で「ボーダー選挙区以外は切り捨てろ!」石破捨て身の大号令
森山幹事長との会談の中身
「自民党210、公明党16」という数字が自民党本部に流れたとき、誰もが青ざめた。10月27日投開票の衆院選の前半戦は、自公の「過半数確実」との見方が大半で、マスコミなどの世論調査でもそのような数字になっていた。 【写真】「総務会長」を蹴った高市早苗が「新党結成」か…百田尚樹と河村たかしと共闘 ところが、 「10月18日、19日あたりからジェットコースターのように、数字が下がっていった」 と語るのは自民党の幹部だ。 10月21日、石破茂首相は森山裕幹事長と緊急で会談した。 「まさか、自公で過半数に届かないとは」 「無所属候補を自民党入りさせれば、過半数に達しないか」 と暗い雰囲気で話し合われたという。この会談で決まった方針は、なりふり構わないものだった。自民党の大臣経験者はこう打ち明ける。 「選挙区の情勢調査で、対立候補との差が10%以内の選挙区をボーダーラインとし、そこを重点選挙区とすることが決まった。優先的に石破首相をはじめ、党幹部が応援に入る。逆に、それ以上の差がある選挙区は、もはや望みがないので党幹部らの応援はとりやめるとことも決まった」 さらに、石破首相は党内で「緊急通達」を出した。「現代ビジネス」が全文を入手した。 《選挙は、いま重大な局面を迎えている。後半戦に至るも全国各地において激戦が続いているが、この衆院選は、あらためて言うまでもないが『政権選択』選挙である》
石破の「檄文」の切迫感
こう切迫感のなる書き出しではじまり、自公政権を選ぶのか、政権構想がない野党を選ぶのか《重大な岐路》だとして、最後はこう締めくくる。 《わが党の底力を発揮するのは、今この時である。全党一丸となって国民のために決戦に勝利しよう。この後半戦、私も死にもの狂いで全国を駆け回る。各位におかれても必ず勝利を掴み取るために全力を尽くしてご奮闘をいただくようにお願いしたい》 自民党の政務調査役として長く務め『秘録・自民党政務調査会 16人の総理に仕えた男の真実の告白』(講談社)の著作もある政治評論家の田村重信氏が語る。 「たくさんの総理大臣にお仕えしてきましたが、選挙期間中に『緊急通達』なる檄文が総裁の名で出た経験はありません。それほど自民党の支持が一気に落ちて、野党が急上昇している。政権交代にまで踏み込んで書かれているというのは、かなり危うい情勢になっていることの証左だと聞いています」 石破首相と森山幹事長の会談では、現職の大臣が落選した場合についての対応も話し合われた。 牧原秀樹法務大臣(埼玉5区)、伊藤忠彦復興大臣(愛知8区)、小里泰弘農水大臣(鹿児島3区)の名前があがったという。 牧原氏は、大臣就任後に旧統一教会と関係が発覚した。関連のイベントに30回以上も自身や秘書が出席していたことで批判をあびている。牧原氏の選挙区の相手は、立憲民主党の枝野幸男元代表で、世論調査では5ポイント以上引き離されている。 伊藤氏は立憲民主党の候補と数ポイント差の激戦だし、小里氏は立憲民主党の候補に10%弱の差をつけられている。 先の自民党幹部が分析する。 「牧原氏は、6回続けて枝野氏に選挙区で敗れているが、毎回比例復活する『ゾンビ議員』のひとり。今回は大臣になったので勝つだろうとみていたが、旧統一教会の問題が暴露されて失速した。選挙区で勝てる可能性は極めて低い。 伊藤氏も鶏卵汚職で大手業者と緊密だったことが問題視されていたが、初入閣した。小里氏は同じ鹿児島が地盤の森山氏が強力に推したものの、選挙に弱いことで知られており、温情をかけて入閣させたが、逆効果となっている」