「つきまとわれて怖かった」視覚障害者の女性たちが困惑する“親切心” 「配慮のしかたにもマナーがある」
●白杖以外にも知って欲しいこと
最後に、視覚障害者が視覚の代わりに利用しているものが白杖のほかにもいくつかあるのでご紹介します。 ひとつは盲導犬(補助犬)。立ち入りを断るところも多いようですが、盲導犬は、適性を見極められ、訓練を受けたパートナーです。清潔に保つように、身体障害者補助犬法で定められています。また同法により、飲食店など多くの人が集まる場所でも補助犬の同伴を断ってはいけません。 最近は、支援技術も充実してきました。視覚障害者はスマホを画面の文字を音読させる「ボイスオーバー」という特別な機能を使います。視覚をサポートするアプリも多数あり、スマホやPCは視覚障害者にとって情報収集をするための重要なツールです。 また、点字ブロックは、視覚障害者が安全に外を歩くための大事な道しるべです。これをまたいで駐輪・駐車されていて困ったという声もよく聞きます。 筆者は、待ち合わせをしていたスタッフが駅前の点字ブロックの上で立ち話をしている女性たちに、突撃していくのを見かけたことがあります。設備が有効に使われるかは、私たちの配慮にかかっています。 自分たちの常識だけが、社会の常識ではありません。多様な人たちの事情を知って、多くの人が生きやすい社会になってほしいと願います。