テニス=フェデラー氏、薬物巡る二重基準に言及 シナー疑惑で
[ニューヨーク 3日 ロイター] - 男子テニスで元世界ランキング1位のロジャー・フェデラー氏(スイス)が3日、現世界ランク1位のヤニク・シナー(イタリア)の薬物疑惑騒動で指摘された二重基準の可能性について言及し、反ドーピング機関には説明を尽くすべきだと述べた。 シナーは今年3月10日と18日の検査で禁止薬物クロステボルの陽性反応を示した。シナーはこれについて、理学療法士が自身の指の傷にクロステボルを含む市販のスプレーを塗布し、手袋を着用せずにマッサージを行ったため、それを通じてクロステボルを摂取したと説明。 禁止薬物の陽性反応を示した選手は通常、調査結果が出るまでは出場停止処分となる。しかし、シナーは処分を受けず、チームが即座に摂取経路を特定したためプレーを続けることができたと述べていた。 フェデラー氏は米NBCの情報番組「トゥデー」で、この騒動を「厄介な状況」とし、「彼が他の選手のケースと同じ扱いを受けたのかどうかという点に関する周囲の不満は理解できる。問題はそこなんだと思う」とコメント。 「ヤニクが無実であることは誰もがほぼ確信していると思う。だが、全てが明らかになっていない状況にもかかわらず、彼が出場停止にならなかったという点に矛盾が生じる可能性がある。この点に関しては答えが求められるのではないかと思う」と述べ、当該機関には説明責任があるとの見解を示した。