息子の志望中学が「発達障害に手厚い私立中」から麻布中に変わったワケ 小6の12月から想定外の受験突入
麻布中の過去問に絶句「東京は恐ろしいな…」
しばらくして、何となく麻布中の過去問をアマゾンで購入しました。そもそも、高い偏差値の大学に合格するための登竜門である「難関私立中学の受験」を考えたこともなかったので、試験問題がどんなものか、私は知りませんでした。 麻布中の算数の問題を見て絶句しました。全くわからなかったのです。私は大学受験で数学を選択していて、最も得意な科目です。にもかかわらず、手も足も出ないとはこのことでした。「東京は恐ろしいな……」と思い、そっと過去問をクローゼットにしまいました。 ところがその後、息子と私は不思議なことに「麻布中」という言葉に接する機会が増えていきました。 コラム でご紹介した通り、息子は自己肯定感の確保のために、無料で受けられる四谷大塚の全国統一小学生テストを1年生の時から年に2回欠かさず受験していました。5年生頃からは、有料ですが日能研の模試も受けるようになりました。 この頃から事前登録で「志望する中学校名」を入力しなければ、模試は受験できなくなりました。これはそれぞれの塾が模試の後に発行する「あなたの合格確率」などの資料作成のために重要です。 私は息子の志望校である「横浜にある発達障害に手厚い私立中A」を入力しました。しかし四谷大塚も日能研も「該当なし」となりました。そのほかのB、C、D中学、全てが「該当なし」。つまり息子の志望中学は、塾側が想定する一般的な「受験対象校」ではなかったのです。
模試の志望校欄は「麻布中」 毎回「圏外」
志望校の入力をしなければ模試を受けられない。困った私は、唯一知っていた私立中学「麻布中」を毎回入力しました。「息子の合格確率」はもちろん毎回「圏外」でした。 この結果、息子にとっての仮想受験校が意図せず、形式上は「麻布中」となり、模試を受けるたびに毎回「麻布の合格確率」を見ることになりました。こうなると、日々の勉強で使用していた教材に小さく書かれている「麻布中◯年出題」などの文字が、自然と目に入るようになります。 「これが麻布の問題なんだね」と、まれにですが息子と話すこともありました。6年生の後半になると、受験のために塾に行くクラスメートが半数以上となっていました。もしかすると、その中で「麻布中」が話題に上がったことがあったのかもしれません。私の知らないうちに、息子の中での「麻布中」は引っかかる存在になったようです。