ひとつの時代の終焉…稲本潤一の現役引退で2002年日韓共催W杯&2006年ドイツW杯を経験した「黄金世代」全員がスパイク脱ぐ
日韓共催およびドイツ大会で守備の要を担い、ガンバの監督をへて、今年3月にはJFAの第15代会長に史上最年少の47歳で就任した宮本恒靖も、稲本の引退発表を受けて自身のインスタグラムを更新。ともにガンバのアカデミーから昇格し、トップチームでプレーしたころのエピソードを明かしている。 「イナが19くらいのとき、ピッチで一緒にプレーしていて規格外のスケールの大きさを感じて、『「早く海外に行け』と言った記憶があります」 言葉通りに稲本は2001年夏にアーセナルへ加入。期限付き移籍したフラムで、日本人選手として初めて英プレミアリーグの舞台でプレーしてゴールも決めた。その後にドイツのアイントラハト・フランクフルト、フランスのレンヌでもプレーした濃密な経験を、今後のセカンドキャリアに反映させていく。 記者会見で指導者の道を歩みたいと希望を明かした稲本に対して、宮本会長はインスタグラムへの投稿の最後をこんな言葉で締めくくっている。 「イナみたいなスケールの大きな選手を育ててくれることを期待しています」 日韓共催大会で浴びたまばゆいスポットライトだけではない。ドイツ、南アフリカ両大会ではリザーブに回り、川崎時代の2014シーズンはDFとして登録され、札幌時代の2016年6月には右膝前十字じん帯を断裂する全治8カ月の大怪我を負った。 その後も怪我と向き合った時期を含めて、ポリシーを貫き通したキャリアで経験した喜怒哀楽を指導に反映させながら、次代を担う選手たちを育てていくセカンドキャリアへ。インスタグラムの最後を「自分らしく楽しみながらやっていきたいと思います」と締めた稲本が、完全燃焼の思いとともにスパイクを脱いだ。