【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第7ステージ】大会前からフォーカスしていたステージを勝ったワウト・ファンアールト 前回王者セップ・クスのアシストに応える「チーム哲学を表した最高のレースだ」
残り3.5kmで、ついにソレルをキャッチ。一瞬ペースが緩んだ隙にダヴィド・ゴデュ(グルパマ・FDJ)やパヴェル・シヴァコフ(UAEチームエミレーツ)が飛び出したけど、集団でのレースクローズを図ったレッドブル・ボーラ・ハンスグローエが逃げを阻止。勝負はスプリントにゆだねられた。
こうなると、スピードで群を抜くワウトのターン。今大会好調のマティアス・ヴァチェク(リドル・トレック)らがマークするべく上がってきたけど、それらをすべてかわしてのスプリント。ライバルが前に出る余地を与えず、ワウトが一番にフィニッシュラインを通過した。
「もう少し大きな集団でスプリントすることになるだろうと想定していた。思っていた以上に上りで人数が減っていて、僕にとっては良い状況になったよ」(ワウト)
ポイント賞のマイヨ・ヴェルデに違わぬスピードを見せた後ろでは、クスも拳を掲げる。紛れもなく、このステージ最高の男だ。それなのに、レース後に語られた言葉は謙虚さと優しさに満ちている。
「ソレルを捕まえた後にペースを緩めてしまって、数人がアタックした状況は個人的には失敗だった。でも、僕以上にワウトが冷静で、勝つためにベストな対応をしたあたりはさすがだと思ったね。ワウトが勝ったのが自分のことのようにうれしいよ」(クス)
ワウトは改めて、クスの驚異的な走りを強調する。
「上り終えた時点で、僕たちは2人になっていたんだ。そこからのセップの働きには驚かされた。体重が60kgを切る選手が平坦であれだけ牽けるのは本当にすごいことなんだよ。彼のためにも勝たなきゃと思ったら鳥肌が立った。チームとしても、とても大きな勝利だ」(ワウト)
マイヨ・ロホを着て走ったオコーナーも、メイン集団で走り終えてリーダー初日をまっとう。総合で2番手につけるログリッチがボーナスタイムを獲ったことで、タイム差は4分45秒となったけど、このステージだけ見れば問題ではない。
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