【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第7ステージ】大会前からフォーカスしていたステージを勝ったワウト・ファンアールト 前回王者セップ・クスのアシストに応える「チーム哲学を表した最高のレースだ」
このステージの大きなポイントと目されたのが、唯一のカテゴリー山岳にして、最大勾配16%超の2級山岳「14%坂」。なぜ最大勾配が14%じゃないのか……という疑問はさておいて、集団の人数を絞り込むには最適なポイントであることは確かだ。まず引っ張ったのが、ヴィスマ・リースアバイク。エドアルド・アッフィニを前に送り出してペースを上げる。頂上まで2kmを切って16%区間を迎えると、今度はレッドブル・ボーラ・ハンスグローエが前に出て、アレクサンドル・ウラソフが牽引役。集団を絞るには効果的なアクションだった一方で、前日好走したフロリアン・リポヴィッツが遅れてしまうなど、自チームの枚数を減らしてしまう格好にもなった。マイヨ・ロホのオコーナーは、前方にポジションを構えてこの状況をやり過ごしている。
頂上に置かれたボーナスポイントに向けては、個人総合8位でスタートしていたレナルト・ファンイートヴェルト(ロット・デスティニー)らがアタックするも、ここは冷静に対処したログリッチが1位通過。6秒ボーナスを得て、オコーナーとの総合タイム差を縮める。ログリッチが先頭のまま下りに入るが、テクニカルなレイアウトを利用してソレルがアタック。これを受けて、集団牽引役を引き受けたのがクス。フィニッシュを狙えるワウトが急坂をこなして、集団に残っていたのだ。
「ワウトがこのステージを狙っていることは知っていた。ただ、上りが簡単ではないので、僕個人としてはワウトの走り次第で対応を変えるつもりだった。だけど、彼がトップに近い位置で上り切ったのを見て、調子が良いことを確信したんだ。彼のために大きな役割があることを自覚したよ」(セップ・クス)
後方グループではグローブスが落車し、メイン集団への復帰が難しい状況になっていた。ヴィスマ・リースアバイクとしては、ワウトがステージ優勝する大きなチャンス。ソレルが20秒前後の差で逃げる間、ワウトみずから追走を試みたりもしたけど、集団の勢いを見てひとりで追うのは得策ではないと判断。再びクスを頼りに、最終盤へ状勢を整えた。
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