手土産で「お菓子」を渡す人はセンスがない…では、「センスのある人」は何を渡す?
● 「この店良いですよね!」と言われても喜べない理由 今井 店選びに関してはあまり相手に合わせないようにしています。相手の想像を超えたいんです。 「普段何食べますか?」とか「よく行く場所ってどこですか?」とか聞いてしまうと、その領域の中でのおすすめになってしまうんですよね。僕はそこを超えて相手に感動を与えたいんです。だから、言われて嫌な言葉ランキング上位に来るのが「このお店いいですよね」という言葉です。 yuuu 「あそこのお店いいですよね」って言われちゃうと、「なんだ、知ってたのか」と力不足というか、「新しい価値を提供できなかったな…」と感じます。 ――今井さんがよく使うのはどのようなお店ですか? 今井 「全天候でもストレスフリーで行ける好立地なレストラン」はよく使いますね。たとえば出張などで東京駅を使う方がお相手だとしたら、東京駅を一望できるお店にするとか。あとは雨に濡れることなくたどり着けるかどうかもポイントです。 ● 解散するのは「まだ飲みたい」腹八分目あたりで 他にもランチ会食であれば、ホテルのレストランを利用することもありますし、ディナーであれば比較的ゆとりのある個室が取れるお店は重宝します。 なお、私の場合、東京から家が遠いこともあり、2軒目に行くことってほとんどないんです。そうした場合に、2時間制だと少し物足りない。そのため時間制がないお店でゆったり時間を過ごし、「もっと飲みたいな」と思っている“コミュニケーションの腹八分目”を目安に解散するという段取りをします。 yuuu 「雨に濡れない」大事ですよね。特に1ヵ月先の会食など先の予定のときには、天候が読めないので重宝します。せっかくいいお店でも、靴が雨で濡れてしまうとなるといい経験ではなくなってしまうんです。
● お土産にはアピールチャンス ――お店選び以外でこだわりがあるポイントってありますか? 今井 僕、手土産にはかなりこだわります。手土産でお菓子をお渡ししてもあまり記憶に残らないんです。手土産としてお菓子をお渡しすると、社員に配って終わりになることが多いんですよ。だから、他の人に渡せないオリジナリティがあるものを手土産としてお渡ししたいなっていう思いがあります。 直近だと、相手のSNSをチェックしたら、「最近スーツで出勤するようになった」という投稿を見つけたことがあったんです。そこで、あまり主張は強くないけれどキラリと光る小物をお渡ししたいなと思い、それぞれのお相手のイメージカラーでイタリア産のハンカチと靴下を選びました。 そして、以下のように話しました。 「最近スーツよく着られるんですか? そうすると、小物とかって悩まれてるんじゃないかなとと思いまして…」 「自分で買うと毎回同じものが揃っちゃうと思うので、今回は、僕がおすすめするハンカチと靴下を選びました。」 そして最後に 「今度あるイベントのときにもし使ってもらえたら」 と付け加えました。これで、「イベントについて調べている」こともアピールできます。一方これがお菓子だと「美味しいですよね」のひとことで会話が終わっちゃうんです。どちらのほうが良いかは明らかですよね。 yuuu 素晴らしいプレゼントです。やはり、ストーリーがあるプレゼントは強いですね。なぜそれを渡したのかが明確に伝われば、そのプレゼントは価格が高いプレゼントにも勝てる可能性があるんです。 今井さんの例は、相手にとっていつもと一味違うプレゼントになっています。ストーリーラインを丁寧に作るといった点で、まさに全ビジネスパーソンが真似すべきお手本です。このような食事会ができれば、面倒な会食がしっかりと成果につながるでしょう。 (本稿は、『ビジネス会食完全攻略マニュアル』の著者・yuuu氏と『Sales is』の著者・今井晶也氏への対談インタビューをもとに構成したものです)
今井晶也/yuuu(ユウ)