トランプ氏、次期駐日大使にジョージ・エドワード・グラス氏を指名
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領は16日、次期駐日大使にジョージ・エドワード・グラス氏を起用すると明らかにした。中国に対する強硬姿勢を強化するとみられる米次期政権において重要なポストの一つだ。
トランプ氏は「ジョージ・エドワード・グラス氏を米国の次の駐日大使として発表できることをうれしく思う。投資銀行の元プレジデントとして、ジョージ(グラス氏)はビジネス感覚を大使職にもたらし、常に米国第一で考えてくれるだろう」とトゥルース・ソーシャルに投稿した。
16日の記者会見では、1期目のトランプ政権で駐ポルトガル大使を務めたグラス氏について、「非常に尊敬されている人物だ」と称賛した。「彼は以前にも大使を務め、素晴らしい仕事をした。われわれは日本を重視している」とも述べた。
トランプ氏は主要国の大使を次々と決定。今月初めには駐中国大使に元上院議員のデービッド・パーデュー氏を指名すると発表した。主要ポストの幾つかに対中強硬派を起用する一方、日本などの友好国にも影響を及ぼし得る追加関税の実施を打ち出して関係の再構築を目指している。
グラス氏はポルトガル大使在職中、中国による対ポルトガル投資を批判していた。駐日大使への起用は、日本製鉄によるUSスチール買収計画の先行きが不透明な中で発表された。同案件は政治問題化しており、日米関係に重くのしかかっている。バイデン米大統領は同買収計画に反対の意向を示し、阻止する計画だと伝えられている。トランプ氏は大統領就任後に買収を完全に阻止する方針を表明している。
日鉄のUSスチール買収計画、バイデン米大統領が最終的に阻止へ
駐日大使の役割は主に日米同盟を支えることであり、中国や北朝鮮が軍事力を増強する中で日本に安心感を与えることだ。米軍は日本に最大の海外常設軍事基地を配置し、全国の基地に約5万5000人の軍人が駐留している。
日米両国は在日米軍駐留費を日本がいくら負担するかを協議することになっている。この問題は、トランプ政権1期目の発足当初に負担の増額を要求するきっかけとなった。いわゆる「ホストネーションサポート(在日米軍駐留経費負担)」に関する新たな5年間の取り決めは2026年までに合意される予定。