【武蔵野S】不利で「負けても不思議ない展開」も一頭分のスペースをこじ開けて完勝したダートの新皇帝 次走はフェブラリーS直行
◆第29回武蔵野S・G3(11月9日、東京競馬場・ダート1600メートル、良) 2重賞が9日に行われ、第29回武蔵野S・G3(東京)は単勝1番人気のエンペラーワケアが勝ち、川田は史上8人目のJRA通算2100勝を達成した。 【データで見る】エンペラーワケアの血統、戦績 不利も何の! 強さが際立つ完勝だった。エンペラーワケアは前団の内をリズム良く追走したが、直線入り口で外から寄ってきた馬とラチに挟まれ後退。杉山晴調教師が「負けても不思議はない展開だった」と振り返るような不利を受けたが、瞬時に切り替えて一頭分のスペースをこじ開けて突き抜けた。この勝利でJRA通算2100勝を決めた川田は「馬の能力で最後にギリギリ開いたところを出てきてくれたということで、やはり能力の高さを感じます」とたたえた。 デビュー2戦目からダート1400メートルを走り続けて8戦6勝。今回が初めてのマイルだったが、難なく対応してみせた。4日の地元佐賀でのJBCクラシック(ウィルソンテソーロ)に続くダート重賞連勝を果たした鞍上は「これでも一番いいときにはもう一つ足りないので、そういう状態に改めていければなと感じます」と、まだ奥を秘めていることを示唆した。 優先出走権を獲得したチャンピオンズCは見送り、トレーナーは「フェブラリーS(G1、25年2月23日、東京)へ直行する予定です。マイルに対応してくれることも分かったし、自信を持って向かえます」とプランを明かした。新たな“皇帝”にとってここは通過点に過ぎない。(角田 晨) ◆エンペラーワケア 父ロードカナロア、母カラズマッチポイント(父カーリン)。栗東・杉山晴紀厩舎所属の牡4歳。北海道日高町・下河辺牧場の生産。通算10戦7勝。総獲得賞金は1億6738万1000円。主な勝ち鞍は根岸S・G3(24年)。馬主は草間庸文氏。
報知新聞社