大阪・近鉄アート館で1月3、4日、「地球舞語り episodeII」上演 - OSK日本歌劇団の作品を多数手がける北林佐和子が作・演出
先人の築いた日本の伝統芸能の真髄を伝えつつ、異ジャンルのエンターテインメントとの融合で現代を生きる多くの人々の心をつかむことで、次世代に持続可能な舞台芸術を創造するユニット「新伝統座」が1月3、4日、大阪市阿倍野区の近鉄アート館(あべのハルカス近鉄本店ウイング館8階)で最新作「地球舞語り episodeII」を上演する。作・演出はOSK日本歌劇団のミュージカルやレビューを多数手がけ、京都の春を彩る「京おどり」の作・演出も担当している脚本・演出家の北林佐和子。 [写真]葛藤(かっとう)を越えた「現代の家族のあり方」を舞で表現する、実の父娘の伊瑳谷門取(右)と實川ふう=2024年3月1日、大阪市天王寺区のうえほんまち銭屋ホール
「地球舞語り episodeII」はSDGs(国連が掲げる17の持続可能な開発目標)を日本舞踊、和楽器、演劇で表現する作品。 第1部は「新伝統狂言 モスキート相撲」。狂言の名作を斬新な演出で描く新春にふさわしい笑いの舞劇で、SDGsの「気候変動に具体的な対策を」「安全な水とトイレを世界中に」を発信する。 第2部の「銀河忠臣蔵 episodeII」は昨年7月に同館で上演した「地球舞語り episodeI」の「銀河忠臣蔵」第二弾。密かに地球に潜入し人間を操る宇宙人や、AIロボットと共演する往年の大女優・大石蔵らが登場し、歌舞伎の名作が地球環境、SDGsの視点からドラマティックに展開する。 「新伝統座」は2021年から、さまざまな分野の芸術を同じ舞台で融合させ、地球環境、SDGsなど現代社会の課題を古典的な様式で表現する公演を展開。劇場や能楽堂はもとより、子どもたちに自然体験を提供するイベント会場でのパフォーマンスや、趣旨に賛同する地元企業とのコラボレーションなど、多彩な実績を広げている。
2024年3月には、1910(明治43)年創業の老舗・銭屋本舗(大阪市天王寺区)との提携により、うえほんまち銭屋ホール(同本舗南館6階)で「SDGs舞語り」を上演。公募で集まったメンバーも事前に出演者と共に稽古して、本番の舞台に出演した。地元自治会から参加した女性(64)=取材時=は、本番直前の稽古で「すごく楽しませていただいています」と話した。 さまざまな可能性を秘めた「新伝統座」の発信。同ユニットを主宰する有限会社児雷也は劇中作品内に企業のアピールを盛り込む「かぶき広告」などユニークな企画や個人も無理なく参加できる仕掛けなどを提示して協賛者も募集中。児雷也代表でもある北林は「『舞語り』シリーズを通じて、サスティナブルな伝統芸能を目指しつつ、地球の未来のためにできることを発信したい」と協力を呼びかけている。 【メモ】 ◆出演=伊瑳谷門取、實川ふう、妃那マリカ(元OSK日本歌劇団)、REN、桂團治郎、桃井ミー、音ノ羽(坂上享&大谷加奈子)、小久保びん ほか。 ◆開演時間=3日17時、4日11時・15時 ◆前売り券=SS席6500円、S席5500円、A席4000円。全席指定 ※小中高校生は各1500円割り引き。当日券は各500円増し ◆申し込み・問い合わせ=児雷也、電話06(4980)6884