こんなはずでは…。欧州、新天地で苦戦している大物選手10人。本領を発揮できていないスターたち
FW:ラヒーム・スターリング(アーセナル)
生年月日:1994年12月8日 移籍金:期限付き移籍 24/25リーグ戦成績:4試合0得点0アシスト 今夏の移籍市場の最終日にラヒーム・スターリングが、チェルシーからアーセナルに移籍したことは多くの人々を驚かせた。しかし、現時点では期待されていた即戦力としての活躍を披露することができていない。 実績だけ見ると、スターリングは現在のアーセナルの選手の中でもトップだろう。イングランドで掲げたトロフィーの数はチーム最多で、プレミアリーグ通算123得点もダントツの1位だ。しかし、それがスタメン定着に向けての武器となるかどうかは別の話である。 11月6日時点では、ブカヨ・サカ、カイ・ハフェルツ、ガブリエウ・マルティネッリ、ガブリエウ・ジェズス、レアンドロ・トロサールらで構成される前線の選手の中で最も序列が低く、直近のプレミアリーグ2試合では出番が与えられなかった。 スターリングの出場機会が減っていることとは対照的に17歳のイーサン・ヌワネリがプレータイムを増やしている。即戦力的な活躍ができないのであれば、期限付き移籍で加入している29歳よりも、成長曲線を辿っている17歳を起用する方がチームとしてのプラスも大きい。 このまま出場機会が限定的となるのであれば、今冬にも退団となる可能性もあるだろう。
FW:ジョアン・フェリックス(チェルシー)
生年月日:1999年11月10日 移籍金:5200万ユーロ(約83.2億円) 24/25リーグ戦成績:5試合1得点0アシスト 今夏にエンツォ・マレスカを新監督に招聘したチェルシーが開幕から好調を維持している。 新指揮官の手腕によって再び上位争いを演じることができているのは間違いないが、今夏の補強戦略が正しかったのかどうかには疑問符がつく。現在のスタメンを見ると、マレスカ監督が重宝している選手たちの大半が、昨季より前からチェルシーに所属していた既存戦力である。 実際にマンチェスター・ユナイテッドとのプレミアリーグ第10節で起用した14人のうち、今夏に獲得した選手はペドロ・ネトしかいなかった。リーグの規定でこの試合に出場することができなかったジェイドン・サンチョの序列は高いが、新加入選手のプライオリティが低いことは明らかで、その中でも2022/23シーズン後半戦以来の復帰となったジョアン・フェリックスの立場が厳しい。 このポルトガル代表FWはトップ下やシャドーのポジションを最も得意としているが、現在のチェルシーにはコール・パーマーという不動の選手がいる。彼以外にもクリストファー・エンクンクが在籍していることから、フェリックスはトップ下の3番手であり、プレミアリーグでの先発出場は第10節を終えた時点でゼロ。直近の3試合に関しては出番すら与えられていない。 こうした明らかな余剰戦力がある一方で、最終ラインの選手のクオリティには課題を抱えている。現状のフェリックスは国内カップ戦とUEFAカンファレンスリーグ(ECL)のみでの稼働が続いており、新たな補強を行う場合は、早くも放出候補となるかもしれない。