こんなはずでは…。欧州、新天地で苦戦している大物選手10人。本領を発揮できていないスターたち
MF:ジョアン・パリーニャ(バイエルン・ミュンヘン)
生年月日:1995年7月9日 移籍金:5100万ユーロ(約68億円) 24/25リーグ戦成績:7試合0得点0アシスト バイエルン・ミュンヘンは今夏に発足したヴァンサン・コンパニ新監督の下でリーグテーブルのトップを独走している。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)ではアストン・ヴィラとバルセロナに痛恨の2連敗を喫したが、新体制のスタートは上々と言って良いだろう。 その中で誤算があるとすれば、開幕前に中足骨の骨折で離脱をした伊藤洋輝とジョアン・パリーニャの2人の新戦力である。前者に関しては怪我のため不運なところがあるが、後者に関しては万全のコンディションにも関わらず出場機会が限定的だ。 5100万ユーロ(約68億円)の移籍金で獲得した選手がチームの中心に置かれていない理由は、バイエルンの監督交代が大きく影響しているだろう。というのも、パリーニャは昨夏にもバイエルンへの移籍が噂されており、その補強を熱望していたのはトーマス・トゥヘル前監督だとされている。 今夏に1年越しでドイツの強豪への移籍が決定したものの、すでにトゥヘルはチームを離れており、コンパニ監督自身が獲得を望んでいたかどうかは不透明な部分が大きい。 実際にボールを保持することを好む新監督は、ヨシュア・キミッヒとアレクサンダル・パブロビッチという2人の司令塔タイプの選手を[4-2-3-1]のダブルボランチの1番手で計算しており、あくまでもパリーニャは3番手という扱いだった。 それでも直近の数試合でパリーニャの出場機会が増加傾向にあるのは、パブロビッチがシュトゥットガルトとのブンデスリーガ第7節で鎖骨骨折の怪我を負った影響であり、評価を上げたことでスタメンに定着したわけではない。 ただ、パブロビッチの約3ヶ月に及ぶ長期離脱が、ハードなタックルでボールを奪うことを得意とするポルトガル代表MFにとってチャンスであることは事実だ。アピール次第ではそのままスタメンに定着することができるかもしれない。 しかし、コンパニ監督の水準に満たない場合は冬の移籍市場で司令塔タイプの選手を獲得する可能性もある。ひとまず12月のウィンターブレイクまでが勝負になるだろう。