SNSで、車で日本一周している夫婦を見つけました。特定の居住地がない場合、住民税などはどうなるのですか?
住民税非課税の基準となるのは?
ある方の年収が一定の水準以下であれば、所得税も住民税もかからないことになります。所得税に関しては「103万円の壁」という言葉をよく聞くと思いますが、住民税についてはどうなっているのでしょうか。 やや極端な例ですが、定年退職後にバンライフを送りながら年金を受け取っている方の場合を想像してみましょう。年金受給者は、受け取る年金額に対して「公的年金等に係る雑所得控除」が受けられます。 図表1
※合計所得1000万円以下 ※国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」より筆者作成 図表1は、公的年金を受け取っている方が所得税や住民税を計算する基となる、「合計所得金額」を計算する際の速算表です。 そもそも住民税には、収入に応じて課税される「所得割」と収入に関係なく課税される「均等割」があります。ただし、所得割も均等割も全く課税されない、以下の基準があります。 35万円×(世帯人員数)+10万円+21万円(※1)以下 年金受給者であれば、合計所得が45万円以下であれば住民税非課税になります。先述の公的年金等に係る雑所得控除も合わせて考えると、65歳未満であれば年収105万円以下、65歳以上であれば年収155万円以下まで、個人住民税が課税されないことになります。 なお、60歳未満の場合も課税されない基準は同じです。例えば個人事業主(国民年金の第1号被保険者)であれば、収入から経費や所得控除を引いた額が上記の額以下になったときに、個人住民税が課税されなくなります。 ※1:21万円が加算されるのは同一生計配偶者または扶養親族を有する場合のみ
まとめ
バンライフを送っている人も、日本で生活をしていく以上、住所の届け出を出しておかなくてはいけません。その際は届け出る住所を、実家だけでなく、友だちの家やシェアハウスのものにするケースもあるようです。 また、バンライフを送りながら一定の収入が生じれば、所得税や住民税、健康保険料や年金保険料を払う必要があります。ただし一定の基準以下であれば、支払いが免除される場合もあります。バンライフを送ろうとする場合には、収入や住所をどうするかなど、始める前に計画を立てておくことも必要になるでしょう。 出典 国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係 総務省 個人住民税 執筆者:吉野裕一 夢実現プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部