SNSで、車で日本一周している夫婦を見つけました。特定の居住地がない場合、住民税などはどうなるのですか?
最近、個人が動画を作成してSNS上に公開する「動画配信SNS」 に人気が集まっているようです。そのなかでも、バンといわれる自動車で生活を送りながら、日本一周や気ままな旅生活を送るというものもあるようです。 こういった人々は、住民票や納税の手続きをどうしているのでしょうか。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
バンライフとは
特定の住所に住むのではなく、荷物の運搬などを目的とした車を改装して、寝泊まりや家事、仕事などを行うことを「バンライフ」といいます。 バンライフは、荷室がついた車「バン(VAN)」と「生活(ライフ……LIFE)」を合わせた造語です。旅行するよりも比較的費用を抑えながら、日本全国の好きな場所に移動でき、気ままな生活ができるため、人気が集まっているようです。 「住む家のある方が、平日は普通の生活を送り、週末や長期休暇だけバンライフを行う」というケース、「生活の中心はバンライフでも、たまには家に帰る」というケースもありますが、「今まで住んでいた家を完全に処分している」というケースもあるようです。 バンライフを送る人のなかには、定年退職後の年金受給者もいますが、現役世代にも仕事をしながらバンライフを送る人がいます。そのなかの一部の人はバンライフの様子を動画にして、動画投稿サイトに上げて広告収入を得るケースもあるようです。
住所や税金の手続きはどうなっているの?
バンライフを送っている人の住所は、親が住んでいる実家のほか、友だちの家やシェアハウスに設定されているケースが多いです。 また、車で生活を送るためには、「車庫証明」を所有することが必要となります。車庫証明に必要な書類は、管轄の警察署からオンラインで入手することができます。入手した書類に必要事項を記載して、管轄の警察署に提出し、後日、警察署で受け取ることになります。 軽自動車であれば原則として車庫証明は必要ありませんが、それ以外の場合は、車庫証明を取得することが求められます。実家の土地を駐車場にするほか、友だちの家やシェアハウスであれば、住所とした場所から2キロメートル以内に月極駐車場などを契約します。 なお自分の保有している土地の場合と、実家や他人の土地を駐車場にする場合には、必要な書類が違います。 またバンライフを送るには、車の保管場所だけではなく、所得税や住民税などに関する書類を受け取ったり、税を納めたりする必要があります。 年金受給者や、仕事または広告収入がある人がバンライフを送っている場合でも、それらの収入が多くなれば、所得税や住民税の支払いが発生します。しかし、所得税や住民税が課税されない程度の収入で、バンライフを送っているケースもあります。 この場合は納税の義務はありませんが、国民健康保険料の支払いはありますので、定期的に書類が住所地に届いていることを確認することも大切です。加えて、60歳未満で会社員以外の方は、国民年金にも加入する必要があります。