足先が冷えて眠れない人必読。電気あんかや電気毛布は「良い睡眠」に効果的?睡眠コーチに聞いた!
寒くなってくると登場する電気あんか、電気毛布。冷え性の人にとっては必需品!と思いきや、実は睡眠には良くない?15万人の日本人のデータを集め睡眠改善をしてきた「上級睡眠健康指導士」角谷リョウさんに聞いてみました! 〈写真〉足先が冷えて眠れない人必読。電気あんかや電気毛布は「良い睡眠」に効果的?睡眠コーチに聞いた! ーーだんだん寒くなってきて、電気あんかや電気毛布、湯たんぽなどを使っている人もいると思うのですが、そのへんの良し悪しを伺いたいです!特に冷え性だと「寒くて眠れない」「手足足先が冷たくて眠れない」という問題があると思うのですが、電気あんかや電気網などは「よりよく眠る」「ぐっすり眠る」「すっと眠る」という、いわゆる"良い睡眠"に役立っているのかどうかを教えていただきたいです。 角谷さん:これは残念な話だけど、電気あんかなど外部から温める系のものは睡眠の質を下げてしまう、そういう研究結果が睡眠学会でも発表されているんですよ。 ーー睡眠の質を下げてしまう?! 角谷さん:靴下もそうだし、常に熱を与えてしまうことが睡眠の質を下げちゃうんですよ。じゃあ冷え性の人はどうすれば?ってなっちゃうんだけど、基本的には体を温める行為は寝る時にはNGなんです。 ■深部体温を下げないアイテムは良い睡眠につながらない ーー角谷さんの著書の中にも、深部体温が下がるときに人は眠くなるという話があったかと思うのですが、つまり、ああいう「温める系のアイテム」は深部体温を下げないから良くない、ってことですか? 角谷さん:そうです。本来は「下がってるけど保温する」というのが良いんです。例えば羽毛布団みたいに、軽くて保温性があるんだけど、布団自体が熱をもって温めるわけじゃないじゃないですか。でも電気毛布は反対で、ずっと温め続けるわけです。だから、よくない。それだったら室温を上げたほうがいいですよ。 ーーその反対をやっちゃってました。室温は下げても足元は暖かいほうがいいと思って…頭寒足熱とか言うし。 角谷さん:それは勉強する時とか仕事する時の話ね。寝る時は違くて、寝る時は足の放熱で寝るから。それが寝るきっかけだったりいい睡眠のための大事なポイントだから。 湯たんぽみたいに、最初はあったかいけど冷めていくものだったらいいんだけど、基本的には足が放熱することで質の良い睡眠が取れるから、冷え性であればあるほど、入浴だったりハーブティを飲むとか、寝る前に深部体温を上げるような行動をするように工夫していかないと、寝る時に寝れなくなるんです。 ーー温めれば良いってもんじゃないってことですね。温め方にもポイントがあって、体の内部からの熱を生み出せるものじゃないと意味がないと。 角谷さん:女性が睡眠に課題を抱えやすい理由の一つが「筋肉量が少ないから」なんですよ。筋肉は熱を発生させるけど、筋肉量が少ないと熱を発生させられないから、更年期女性は特に筋肉を減らさない工夫が必要。ヨガも大事だけど、タンパク質を摂るとかハード系のヨガをするとかね。 ーー内側からの熱を生み出すための行動が良い睡眠に繋がっていく、ってことですね。あとは、足からの放熱が良い睡眠において結構ポイントだってことをなかなか知られてない気がして…。寝つき対策のために、冷え性の方が靴下を履いて寝ることで寝つきの悪さを解消してますっていう話はよく聞くので。 角谷さん:それをするよりは、お風呂に入るとか日々運動したりとか、体の内側から熱を生み出す行動にスイッチした方が良いです。あと、僕のYouTubeでも話しましたけど、靴下の爪先の方からちょっとずつ切っていって卒業していくって方法とかね。体の末端に血流がいっていないということだから、末端に行くように自分で流したりね。当たり前だけど年齢が上になっていくごとに血管は細く硬くなっていくわけだから。セルフケは男性女性問わずやっていかないと良い睡眠は手に入らないですね。 ーー末端に血流を流す運動としては、手足のグーパー運動とか? 角谷さん:うん、それもいいし、あとは加圧トレーニングとかね。 ーーなににせよ、やっぱり良い睡眠のためには「生活改善」がポイントですね。 角谷さん:もちろん、モノに頼ることもいいとは思いますよ。電気あんかとか電気毛布は、良い睡眠のアシストにならないから。そこは頑張らなきゃいけない数少ないところかなとは思いますね。 ■お話を伺ったのは…角谷リョウさん 1970年、名古屋生まれ。上級睡眠健康指導士。 NTTドコモ、サイバーエージェント、損保ジャパンなど160社以上、15万人以上のビジネスパーソンの睡眠改善をサポートしてきた実績あり。 認知行動療法や心理学をベースにした独自の睡眠改善メソッドによるサポートは評価が高く、講義・サポート依頼が殺到。 また、経営者1,000人以上の睡眠改善を通じて得た経験を活かし、現在は経営者特化型のサポートも実施中。 著書『働くあなたの睡眠術』は台湾・中国・韓国で翻訳出版されるなど、ベストセラーとなっている。 「人は、強制されても生活や行動は変わらない」をモットーに、楽しくみずから自分を変えたくなるようなサポートを追求している。LIFREE 株式会社共同創業者。著書に『働くあなたの快眠地図』(フォレスト出版)、『働く50代の快眠法則』(フォレスト出版)がある。2024年9月にYouTubeチャンネル「【睡眠最適化コーチ】角谷リョウ ー今のあなたに最適な睡眠へカスタマイズ」を開設。 *最新著書『超熟睡トレーニング』(角谷リョウ・著/Gakken) 読むだけで熟睡できるようになる!?15万人の“日本人”のデータを集め、睡眠改善をしてきた「上級睡眠健康指導士」だけが知っている“日本人”に最も合う「熟睡スキル」を紹介。寝付きの悪さ、中途覚醒、スッキリ起きられないなど、睡眠にまつわる悩みが解決!
ヨガジャーナルオンライン編集部