東京五輪「馬への虐待行為」で海外SNSが大炎上…近代五種女子でドイツコーチが障害を跳ばない馬を殴って追放処分
同紙は「その後、ソーシャルメディア上ではシュロイとライスナーの馬への接し方についての懸念を示す声が相次いだ」と伝えたが、実際、SNS上では、馬への虐待行為をしたライスナーだけでなくシュロイにも厳しい批判が浴びせられた。 「コーチのライスナーはシュロイに『馬を本気で殴れ』と言ったことにも罰を受けるべきだ。そして、それを聞いて殴ったシュロイも恥ずかしい。コーチはただ追放されるだけでは不十分だ」 「馬を殴っておいて追放処分とは呆れた話で、このコーチは二度と動物に近づかせるべきではない」 「自分のチームを良くするために馬を殴らなければいけないのなら、オリンピックに出るべきではない」などの厳しい声が海外のSNSに投稿されている。 また競技そのものを批判する意見まであった。 「近代五種に強い疑問を感じる。適当に選んだ馬との絆を深める時間はわずかしかなく、選手は馬を道具としか見なくなり、そして馬を酷使するようになる」 「動物をスポーツや娯楽のために利用してはならない。単純なことだ」 SNSが大炎上する騒ぎになったため、ついにはドイツオリンピックスポーツ連盟が声明を出し、馬が抽選で割り当てられるという現状の規則の変更を求めている。 国際大会をレポートするサイトのインサイド・ザ・ゲームズによると、ドイツオリンピックスポーツ連盟は、「馬と騎手の組み合わせに対する過剰な要求は、緊急にルールを変更する理由になる。馬と騎手を守るために(ルールを)再構築する必要がある。動物の福祉と選手の公正な競技を重視しなければいけない」と訴えたという。 また前出の英ガーディアン紙によるとコーチと選手に対するSNS上の批判に対し、ドイツのアスリート支援グループは「ソーシャルメディア上でシュロイに向けられた一部の露骨な憎悪を批判し、動物保護と選手の適切な競技条件を確保するためにルールの変更を検討すべきだ」という声明を発表している。 この問題は、コーチの追放処分だけで終わりそうもなく、動物とともに戦う競技の根幹にかかわる問題までをも突き付けられている。