「国Ⅰ成績より模試成績で盛り上がる」受験教者集団”東大官僚”あるある…成功者より「勉強できる奴」が偉い
新進気鋭の学歴研究家・じゅそうけん氏。そんなじゅそうけん氏が、東京大学卒・元経済産業省官僚で制度アナリストの宇佐美典也氏、現役東大生で『ドラゴン桜』の監修も務める西岡壱誠氏と、東大で出会った天才たちの実態について語り合う。全4回中の4回目。 ※本記事はじゅそうけん著「受験天才列伝――日本の受験はどこから来てどこへ行くのか」(星海社新書)から抜粋、再構成しています。
東大生が「勝てない」と感じた東大生
西岡 宇佐美さんは、東大に入って「マジでこいつには勝てねえな」「こいつマジどうなってんの」みたいな「天才」と出会いましたか? 宇佐美 何人かいましたね。一人記憶に残っているのは、いまアメリカの大学で統計の教授をやっておられる方です。文科一類から東大に入られたのですが、めちゃくちゃに数学ができた。学部在籍中にして、すでに博士課程の人と同じくらいのレベルに達していたらしい。「金融とかやったらすごく稼げるんじゃない?」と尋ねたら、「そういうことじゃないんだよな、興味ないんだ」みたいな反応だったのが記憶に残っています。 あと、私たちの世代で有名な天才といえば、やっぱり長尾健太郎さんですよ。 じゅそうけん 数学者であり、平成を代表する受験天才でもある方です。 宇佐美 長尾健太郎さんは、小学校の時から凄かった。僕の一学年下だったのですが、小5の時に小6の模試で一番を取っていたような感じでしたよ。もう初めの段階から格が違いました。そして私が一浪したので長尾さんと同学年になり、大学でも何回かお話ししたのですが、ごく普通の青年だった。本当に優秀な「できるやつ」というのは振る舞いが自然です。
意外と“普通”な天才たち
じゅそうけん 確かに「天才=奇人変人」のイメージありますけど、意外と話してみると普通なものですか。 宇佐美 そう、ほんとうにできるひとは、奇人変人ぶりを自己演出する必要がないんだろう。だけど、ゼミの発表とかになると、ひとりだけ全然次元が違うぞ、となるのが天才たち。レベルが高すぎて、もう話している内容がわからない。西岡さんの周りにもいましたか? 西岡 色々な方がいましたが、天才タイプのひとは「自分の興味があること」への熱量がすごいですよね。何の評価にもならないような課題でも、分厚いレポート出してくるような感じ。 宇佐美 そう、特に「文科三類のできるやつ」には面白い人が多かった。普段は学校にもあんまり来ないようなほぼ世捨て人のような生活をしてるのに、たとえば「映画論」とかになった瞬間に凄まじい映画評を書いてくるみたいなね。もうほんとに好きで好きでたまんないんだろうなというのが伝わってくる。 あとは、自分の社会での居づらさを一つの大著論文に仕立てあげてくる、みたいなタイプもいる。凡人は「自分がこじらせてるだけだ」と諦めてしまうものですけど、それを社会問題にまで仕立てあげる強引なまでの力がある。 西岡 謎の馬力があるタイプですよね。 宇佐美 「俺が居づらいのは社会構造に問題があるからだ」みたいなことを、一人で家で論文として書いちゃうんだからすごいですよ。文科二類であれば、ゲーム理論とか駆使して「結局は愛なんだ」「金は結局愛がなければまわらないってことを証明したいんだ」といって博士課程にいくぞと意気込んでるやつもいたな! じゅそうけん ……すごいですね。
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