「水道が枯れる日」が迫るメキシコシティ、「デイゼロ」の脅威に直面している世界の都市
1000万人がデイゼロに直面、デリーでは給水車に群衆 インド
2019年、インドの沿岸都市チェンナイは「デイゼロ」に直面した。4つの主要なダムが完全に干上がり、減り続ける地下水とトラックによる水の輸送に1000万人の住民が依存する状態になったのだ。 「水を得るために多くの時間とリソースを費やさなければいけませんでした」と、世界資源研究所(WRI)インド支部の持続可能な都市・交通プログラムの上級プログラムマネージャーを務めるラジ・バガット・パラニチャミ氏は言う。 現在、インドで最も水不足が深刻なのはデリーだ。最近、住民が給水車に群がる映像が撮影され、ネットで広く共有された。23日にはようやくモンスーンによる雨が降り始めたが、川に接する各州の間で結ばれた水分配協定は、専門家からは不十分だと言われており、紛争を引き起こしている。
観光業と地元住民が対立、バルセロナ スペイン
観光地として名高いバルセロナでは2024年、水の供給の減少によって観光業と地元住民の対立が激化し、誹謗中傷の応酬にまで発展した。2024年3月、3年間の干ばつを経て、テル・リョブレガット川のダムの水位は史上最低の15%以下に達し、緊急給水制限が発動された。 バルセロナ市内の200万人近い住民は1日あたりの水使用量を約200リットルに制限されたが、観光業はこの制限を免れた。この不公平さは国民的な議論に発展し、活動家たちは市の観光局の事務所への水を止め、地方選挙の候補者たちは改革を誓った。 これらの制限に加え、バルセロナ市は飲料水の供給を増やすため、高額な技術的対策を多数実施した。海水を飲料可能な淡水に変える脱塩プロセスは最大容量で稼働していた。また、処理された下水も導入された。 こうした取り組みににより、5月と6月に大雨が降ってダムの水が増えるまで、「デイゼロ」に陥るのを避けられたが、干ばつは依然として続いていると、カタルーニャ・オベルタ大学の政治生態学教授のハグ・マルク・コルベラ氏は言う。 スペインの他の地域からきれいな水を輸送したり、バルセロナ港に新たな脱塩工場を設置したりする最終手段計画は、今のところ必要ないことがわかっている。