ポケモン人気でも、バトル要素でもない…新リリースされたアプリ「ポケポケ」が、たった1ヶ月で300億円超の莫大な収益を生み出せた“納得の理由”
スマートフォン向けアプリとして配信されている『Pokémon Trading Card Game Pocket』(略称『ポケポケ』)が爆発的な人気を獲得している。 【写真】この記事の写真を見る(7枚) 『ポケポケ』は、ポケモンを題材にしたトレーディングカードゲームを遊べるアプリである。モバイルアプリの各種データ分析を行う「AppMagic」によると、本作は配信から 1ヶ月で2億ドル(300億円/1ドル150円換算)を超える収益を生み出したと推定 されている。DL数は3000万を越えており、ほかのポケモン関連アプリに大きな差をつけているほどだ。 そもそもポケモン自体が人気のあるコンテンツではあるし、基本プレイ無料のスマホアプリは大きな利益を生みうる存在だ。しかし、なぜここまでヒットしているのだろうか?
そもそもここ数年は“驚くべきTCGブーム”
まず最初に押さえておきたいのが、そもそもトレーディングカードゲーム(TCG)がブームになっているところだ。 物理媒体で遊ぶ昔ながらの「ポケモンカードゲーム」、つまりポケモンのTCGは1996年から歴史が続いているカードゲームである。そのほかのTCGも人気が根強く、「マジック:ザ・ギャザリング」や「遊戯王」など、かなり長い歴史を持つ作品も増えている。
日本の玩具市場規模は2023年度に初の1兆円超え
そして、ここ数年カードゲーム・トレーディングカードの市場は右肩上がりで、 日本玩具協会の発表 によると、2023年度には2774億円市場になっているほどだ。 この数字は現実にも反映されている。2022年ごろには秋葉原でTCG専門店が急増しているとされ、2024年の現在は都心から離れたショッピングモールのような場所でもそういったショップが当たり前になってきたような状況だ。 あるいはショッピングモールのゲームセンターにはTCGのカードが景品となったクレーンキャッチャーがあったり、あちこちにオリパ(非公式に販売されるTCGのオリジナルパック)自販機が設置されていたりと、異様な熱気といえるほど。少し前では考えにくい状況だろう。 2023年にはNHK『クローズアップ現代』でTCG特集が組まれており、そのカードの高騰ぶりが紹介されている。カードのなかには希少価値が高いものもあり、かつ時間が経っても数が増えないものは高騰しやすい。ヒカキンが通称「かいりきリザードン」を5000万円で購入したのは有名だろう。そこまでいかずとも、レアカードは数千円~数万円、ものによっては数十万円で取引されるのだからかなりのインパクトだ。 一部のカードがここまで高騰するとなると、当然ながら投機目的で購入する人が出てきたり、レアカードを転売する人も出てくる。なお、オランダではゴッホ美術館とポケモンのコラボが実施されて特別なプロモカードが配布されたのだが、当然のように大混乱を起こしたそうだ。こうなるとますます人気は加熱していき、TCGを遊ばない人もカードを欲しがるようになる。