天麗皇希×風香AP対談 プロレス界の枠を越えて、 「世間に知られるスター」になってほしい!
「皇希ちゃんは隅っこに行くので『主役だよ』と言い続けました」(風香AP)
――皇希選手の中で、風香さんのアドバイスで印象に残っていることはありますか? 皇希 最初にお会いしたときにブログとかで私のことをすごい推してくださってて。私はもう全然訳わかんなくて、なんで私がそんなに推されるんだろう、っていうのがすごいあって。「なんで私なんですか?」って言ったこともあって、それでも「めげずに」っていうと言い方がアレですけど「皇希がいい、皇希がいい」ってずっと言ってくださってて。それがあったからこそ「プロレスラーになる」ってことに踏み切れたんじゃないかな。私は風香さんも何かのときに言ってたんですけど、元々めちゃくちゃ消極的なので。 ――そうなんですか。 皇希 でも「お前がやるんだよ」って背中を押してくださってるのは常に感じてて。もちろん今もそうなんですけど、何かことあるごとに「お前がやるんだぞ」っていうのを。 風香 「主役だよ」っていうのは言い続けてます。いつも私に見られないのようにコソコソっと端っこに行こうとするんですよ(笑)。気づくと、サイドの人のポーズを取ってるんですよ。 皇希 (笑)。 風香 だから私は「違うよ、ちゃんと正面向いて指さして」って言ってて。「主役になります!」っていう意識でいてほしいし、それぐらいの素材なのに、気づいたら気配を消しちゃうから(苦笑)。「主役」っていう言葉は結構言ってた気がします。 ――皇希さんは真ん中に立ちたくない? 皇希 ずっと二番手的なポジションが多かったので、そこに落ち着くことに慣れてしまってるのはあるかもしれないです。逆に「自分が一番になりたい、真ん中に立ちたい」っていうエネルギーを持った人が周りに多かったので、おっしゃ支えるぞ、サポートだ、みたいな感じが結構多かったかな(笑)。もちろん舞台で主役をやったりがなかったわけじゃないので。でも、あんまり主役っぽくない主役だったのかもしれない。みんなを引っ張ってやるぞ、よりかは「みんな一緒に頑張ろうぜ、横並び!」みたいな(笑)。 風香 練習では今でもそうです。練習生が「気づいたら皇希さんいた!」みたいになってて(笑)。 皇希 ずっといます……(笑)。 風香 気配を消してる皇希ちゃんの後ろにさらに気配を消した(田中)きずなちゃんがいて平和なゾーンを作ってるらしいです(笑)。 皇希 そんなつもりじゃないです(笑)。 ――リング上を見たら真ん中でスポットライトを浴びるのがこんなに似合う人はいないですし、堂々と、自信にあふれてる人かと。 風香 そう見えてるならよかったです(笑)。控えめなところはちょっと青野さんに似てますよね。 ――たしかに。風香さんはアクトレスの頃から「青野、皇希」を推してましたけど、お二人とも目を離すと隅っこに行くタイプ(笑)。 「皇希には早すぎる」と言われても、周りに支えられて「倒れないぞ」と思ってます(皇希) ――5月にデビューして、8月にシングルマッチのタイトル初挑戦、11月にGHC女子王座の初代王者。飛び級ぶりが凄いですがどんどんハードルが高くなって大変ですね。 皇希 3か月目で「タイトルマッチ」と聞いたときは「よっしゃ、やるぞ!」と思ったんですけど、冷静に考えると「待って、ちょっと早すぎないか?」って正直思ったんですよ(苦笑)。 ――そうですよね。 皇希 タッグのベルトに挑戦したのも4か月目。でも(青野)未来さんのユナイテッド(ナショナル王座)のベルトに挑戦して、自分の中で1個変わった部分があって。スイッチが切り替わったのか入ったのか増えたのか、自分ではわかんないんですけど。逆に「3か月で挑戦させてもらえた」っていうのが自分の中では大きくて。リーグ戦も最初から出ることが決まってて、そういう組まれ方で端々から(ロッシー)小川さんからの無言のメッセージというか(笑)。「お前、わかってるよな」っていう圧を常に感じてますね。 風香 小川さんはすごく温かく見てくれてますよ。旗揚げ直後に皇希とアドバイスを聞きに行った時も「皇希に足りないのは経験だけ」って言ってくれて。その時に「凄いことになるよ」と言われて2人で震えました。それは「このまま頑張ったらちゃんと行きつくから小さいことは気にしないでがんばれ」っていう温かいメッセージに聞こえたんですよ。だから本当腐らず、焦りすぎず、頑張ってくれたらちゃんと明るい未来は待ってるから、って思いますね。 ――その話を聞いて、皇希さんはどう思いました? 皇希 小川さんも風香さんも温かさをすごく感じてて。もちろん厳しさもその中にはありますし。他のメンバーとかお客さんの反応とかも全部は見切れてないですけど「皇希には早すぎる」とか「推されすぎてる」というのもいっぱい聞きますし。でも、それ以上に支えてくれてるというか。やっぱり折れそうになるときってあるんですよ。「もう無理かもな」とか「もうやめようかな」とか。でも「折れずに続けていれば」って、小川さんとか風香さんはその未来を見てくれてて。自分のことを応援してくれてる人も、その景色を見たいって期待してくれてるのかなっていうのをすごく感じるので。1回折れても、いや、まだいけるぞ、まだまだ大丈夫だ、っていうので。いいタイミングでこういう機会があってそういう話をしてくれたりもあって。周りの支えもあって、倒れないぞっていう。 ――この7か月、いろんなハードルを乗り越えてチャンピオンにもなって、自分で「成長した、強くなった」って思いますか? 皇希 自分では本当にわかんないんですけど、スタッフさんが「試合見てて、安心して見れるようになった」って言ってくださったりとか。もちろんファンの人とかもそうですし、サイン会で初めて来たお客さんに「すごいよかったです」と言っていただけるようになって、ちゃんと成長できてるのかな、って自分ではわからないんですけど、よくなっててほしい! です(笑)。 ――今、すごい目力でグッと見られましたよ(笑)。 風香 「よくなってる」って言ってくれ、って(笑)。 皇希 違います、やめてください(笑)。