SUPER GT最終戦、決勝の見どころは冬の鈴鹿における最速GTマシンの戦い 予選からコースレコードの出し合いに
■ 冬の鈴鹿はコースレコード連発の予選に 12月7日~8日の2日間にわたってSUPER GTの最終戦となる第5戦鈴鹿が鈴鹿サーキットで開催されている。SUPER GTは年間8戦で戦われるが、第5戦となっているのは、9月前半に開催される予定が天候の問題でずれたため。9月の第5戦鈴鹿を、レースカレンダーで実施可能な12月に移動した。 【画像】坪井翔選手(左)と山下健太選手(右) 7日は翌日の決勝に向けて予選が行なわれたが、季節は冬とあってとくにGT500はコースレコードが続々と出る状態に。これまでの鈴鹿のGT500コースレコードは2022年5月に国本雄資選手がGR Supraで記録した1分44秒112、そしてGT300コースレコードは2018年5月に中山雄一選手がLEXUS RC F GT3で記録した1分55秒531。両記録とも塗り替えられる状況となった。 とくにGT500では、Q1では上位5台が、Q2では上位10台がコースレコードを記録するという高速バトルに。予選結果は今シーズンから導入された合算タイムにより、Q1で3位タイムを記録した山下健太選手、Q2で3位タイムを記録した坪井翔選手の36号車 au TOM'S GR Supraがポールポジションとなりシリーズチャンピオン確定となったが、2人ともそろってコースレコードを記録するほどのドライバーであったことが大きな力となった。両選手とも予選終了後、ポールポジション記者会見に出席。冒頭のコメントを聞くと、さらに余力があったことが分かる。 山下健太選手 ポールポジション記者会見コメント ポールを獲れて本当にうれしいというか、ほっとしたというか。ポールを獲ったらチャンピオンが決まるというのも分かっていたので、ポールを獲りたいなと思っていたんですけど、午前中の練習走行で自分の思ったように走れなくて若干不安を抱えた状態というか、自分の中で予選に行ったのですけど、その中でちょっと……。こういう状況だとなかなか。 やはりチャンピオンがかかった予選って、何ですかね。120%でのアタックというよりも、4脱(4輪脱輪)しないようにとか。その辺にちょっと気を使いながら走った感じで、その中でも自分的にも思い当たるミスは2つくらいあるので、ちょっと微妙なアタックではあったのですけど、トップとの差は100分の6秒差ぐらいで、3番手だったので最低限のことはできたかなというふうに思っています。本当はトップがよかったという思いは持っています。 坪井翔選手 ポールポジション記者会見コメント 見ている方にとっては、若干空気を読めない結果になってしまったという状況でもあるのですけど、やっている側としては、やっぱりSUPER GTは最後まで何が起きるか分からないので、予選で決めたいっていうところはありました。 まずはしっかりトップが獲れてよかったですし、Q1もQ2も、山下選手がちょっと言っていましたけど、僕もかなり“置きに行った”予選になってしまって……。攻めようと思っていたんですけど、やっぱりいつもの予選のようには強くアタックができなくて。 心当たりが何か所かあるような予選でQ2の3番手、合算(タイム)ではポール(ポジション)ですけど、ふたりとも3位、3位で、合算(タイム)のありがたさを改めて感じました。多分、各々思うところはたくさんあった予選だったとは思いますが、でもチャンピオンを獲る上ではそういうことが大事になってくるので、しっかりリスクマネジメントできたかなと思います。 ■ これまでに見たことのない、最速GTマシンの戦いが繰り広げられる可能性大 気温の低い冬は空気密度が高まり、とくにターボエンジンではエンジンのパワーが出やすい状況になる。タイヤのグリップも適正な温度レンジに入れば機能するので、それらがタイムの出やすい環境を作り上げている。GT300の予選ではコースアウトが見られたものの、GT500の予選ではタイヤに起因するコースアウトのようなことはなかった。長い周回数を走る決勝では、タイヤをしっかり温めることで、これまでに見たことない速さで走るGTマシンを見られるのではないだろうか。 また、GT300についてもポールポジション記者会見で、88号車 Lamborghini GT3の小暮卓史選手と元嶋佑弥選手は、ウラカンは気温が低いほうが速いとコメントしており、決勝での速さに注目が集まる。88号車 Lamborghini GT3は、8ポイント差でチャンピオンを追う立場にあり、まずは速さを見せてどれだけ多くのポイントを獲得できるかがチャンピオンへの道になる。 冬の鈴鹿で見られることになった、最速GTマシンの争い。記憶にも残るが、間違いなく記録にも残る戦いになるだろう。
Car Watch,編集部:谷川 潔,Photo:佐藤安孝(Burner Images)
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