京都の夏の「かわいい干菓子」青もみじ、鮎、蛍…夏を象る小さな芸術の逸品5選
季節の移ろいを、素材と見た目で表現する和菓子。なかでも京菓子は、芸術の域に達する繊細な表現力で、夏の情景や涼感を求めるみやこの人々を魅了してきました。今回は、風物を象った干菓子をご紹介します。
二條若狭屋|水、青もみじ
夏の干菓子の題材としてよく使われる青もみじと、流れを渦で表した水。ともにやわらかな色合いが優美。青もみじは和三盆製の干菓子と琥珀でそれぞれ表現し、質感の違いも面白い。(1個各86円) 【二條若狭屋】 京都府京都市中京区二条通小川東入ル西大黒町333-2 営業時間/8時~17時 定休日/水曜
塩芳軒(しおよしけん)|若鮎
饅頭伝来の祖・林浄因の流れを汲むといわれる「塩路軒」から別家し、1882年創業。ぴちぴちと音を立てそうな若鮎のみずみずしさを表現し、ひれ部分の繊細な細工も見事。和三盆製。(1個140円) 【塩芳軒】 京都府京都市上京区黒門通中立売上ル飛騨殿町180 営業時間/9時~17時30分 定休日/日曜、祝日、水曜(不定)
俵屋吉富|なでしこ
6月から9月にかけて咲く夏の花、なでしこを写した打ち物。古くは「常夏(とこなつ)」とも呼ばれた可憐な花は、口に入れるのが惜しくなるほどの愛らしさで茶事に華やぎを添えます。(1個108円) 【俵屋吉富】 京都府京都市上京区室町通上立売上ル 営業時間/8時~16時 定休日/水・日曜 要予約
老松|渦、蛇籠・流水
渦や蛇籠の焼き印を押した米粉の煎餅は、ねき餡を挟んだ重ね合わせ。さっくりした独特の歯触り。蛇籠とは竹などを編んで石を詰めて堤防を補強するもので、夏の季語となっています。(1個130円) 【老松】 京都府京都市上京区社家長屋町675-2 営業時間/9時~17時 不定休 要予約
亀廣保|蛍
夏の夜空にふわりと浮かび光を放つ蛍。その素朴な造形を、琥珀色に輝く有平糖(あるへいとう)で表現。砂糖に最低限の水餡を加えて煮詰めた有平糖はポルトガル伝来の砂糖菓子。(1個120円) 【亀廣保】 京都府京都市中京区室町通二条下ル蛸薬師町288 営業時間/9時~17時 定休日/日曜、祝日