中国がグローバルサウスに影響力―中国安全保障レポート2025―
防衛省のシンクタンクである防衛研究所は、中国の軍事・安全保障の動向をまとめた「中国安全保障レポート2025」を公表し、中国が、「グローバルサウス」と呼ばれるアジア・アフリカなどの新興国・途上国に影響力を強めている現状を分析しました。 レポートでは、中国が経済協力をてこにグローバルサウスの対外行動への影響力を強めていると分析。台湾や海洋権益など中国の「核心的利益」を守るため、グローバルサウスへの外交攻勢で、一方的な現状変更の試みを正当化しようとしていると指摘しました。 中東との関係については、非エネルギー分野で経済関係を深める一方、ドローン輸出などを行うなど、特定領域の軍事分野でも中東に進出しているとし、軍事施設の建設を画策している可能性も指摘しました。 また、中国とグローバルサウスは関係を深める一方、その「持続性は不透明」と分析。日本をはじめ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現を目指す国々は、「グローバルサウス各国、地域のニーズに合わせた長期的な信頼に基づくパートナーシップを発展させることが求められる」と結論づけています。