ゲームに革命! プレイステーションの30年:今も熱く支持されるヒミツに迫る
海外での展開―拠点は米国へ、新興国も視野に
歴代のPSは欧米を中心に広く受け入れられてきたが、近年はより海外市場を強く意識するようになった。転換期は2016年。日本でソニーのゲーム事業を統括していたソニー・コンピュータエンタテインメントが、ネットワークサービス部門と統合してソニー・インタラクティブエンタテインメントとなり、本社を主戦場の米国に移転したのである。 コントローラーの仕様変更は、海外シフトの象徴といえる。国内では初代から決定ボタンは「○」マークだったが、PS5から世界標準に合わせて「×」になった。 またソニーグループは23年、中東や北アフリカ、インド、中国でソフト開発に取り組むゲーム会社やクリエイターを支援する「ヒーロープロジェクト」を開始。ゲーム新興国の才能を発掘し、世界的ヒットにつなげることで、プレイステーションのさらなる版図拡大を狙う。
【Profile】
多根 清史 ゲームライター。ゲームを中心に、アニメから政治、産業史まで幅広い分野で健筆をふるう。著書に、『日本を変えた10大ゲーム』(ソフトバンク クリエィティブ株式会社)、『教養としてのゲーム史』(筑摩書房)など多数。