ゲームに革命! プレイステーションの30年:今も熱く支持されるヒミツに迫る
プレイステーション・ポータブル/ プレイステーション・ヴィータ(2004年/11年発売):初の携帯型もブームを呼んだ
ソニー初の携帯ゲーム機PSPは、小さな筐体(きょうたい)ながらPS2並みのグラフィックを実現。ソフトは独自開発した光学ディスク「UMD」を採用し、音楽・動画ソフトの携帯プレーヤーにもなった。『モンスターハンター ポータブル』シリーズの大ヒットにより、友達同士でPSPを持ち寄って協力プレイするのがブームになった。
より高性能なPS Vitaが登場した2011年は、すでにスマートフォンが普及してアプリでゲームをする時代になっていた。タイトル数も減り、PSPほどのヒットには至らなかった。
プレイステーション 3(2006年発売):ハイスペック化も普及は緩やか
IBMや東芝と共同開発した高性能プロセッサーや強化されたネットワーク機能も搭載し、DVDに加えてブルーレイに対応するなど、PS 3は並外れた性能を誇った。その反面、製造コストがかさみ、最安値の20ギガバイト版で6万円以上とPS2より大幅値上げ。しかも初期は生産が遅れたため「高価で品薄」となってしまった。 さらに、独自設計のプロセッサーはプログラムが難しく、ゲームソフト不足にもつながった。それでも改訂モデルは価格を抑えたこともあり、フルハイビジョン・テレビが普及するにつれて高解像度対応のPS3は売り上げを挽回。世界的な人気クライムアクションの新作『グランド・セフト・オートV』の好調も追い風になった。
プレイステーション 4(2014年発売):SNSやVRとの親和性を強化
一般的なパソコンに近い設計となり、ゲームソフトを開発しやすくなったのがPS4だ。競合するマイクロソフトのXbox Oneよりスペックが高く、ソフトも充実。PS3よりも大きく販売台数を伸ばした。 最大の特徴は、ネットワーク機能を強化し、プレイ動画を「シェア」できるなどSNSやゲーム配信との相性が良かったこと。別売りのプレイステーション VRを接続すれば、ゲームの世界に没入して楽しむことができた。16年には、4Kに対応した高画質版のPS4 Proも登場。どんどん進化するゲームの映像表現に対応した。
プレイステーション 5(2020年発売):全機能が進化、ダウンロード時代へ
現世代機のPS5はグラフィック性能などがPS4の数倍となり、ロード時間も大幅に短縮。コントローラーは初期からの特徴の振動機能がより微細で多彩になり、スピーカーとマイク内蔵に刷新するなど、すべてがパワーアップした。また、ディスクドライブのないデジタル・エディションも登場。ゲームはダウンロード販売の時代へとシフトした。 しかし、コロナ禍のまっ最中に発売したため、製造が滞る中で巣ごもり需要が高まり、なかなかユーザーの手元に届かない状況が続いた。ようやく2023年初めに品薄が解消され、日本を含めた全世界に一気に普及した。 ソニー系列の米国ソフトメーカーPlayStation Studiosブランドからは、鎌倉時代の蒙古襲来をテーマにした冒険アクション『Ghost of Tsushima』や、SFシューティング『HELLDIVERS 2』も大ヒットした。24年11月7日には上位モデルPS5 Proが登場し、11月21日の30周年記念版は限定1万2300台を事前予約で完売。今なお熱く支持されている。