成長する「なでしこジャパン」、澤不在で現れた意識の変化とは?
サッカー・カナダ女子W杯が6月6日(日本時間7日)に開幕します。2連覇を狙う日本代表「なでしこジャパン」に澤が復帰し期待も高まるばかり。今回は彼女の不在時に促された「なでしこジャパンの成長」を考えてみたいと思います。
本大会へ向け嬉しい選出
それでは表1をご覧ください。こちらは澤が代表選出時と不在時のチーム成績をまとめたものとなっています(前回W杯以降の試合が対象)。この表からも分かるように、選出時の方が良い勝率を残せています。過去最低の9位に終わった、直近の大会・アルガベ杯での惨敗を引きずらないためにも、経験豊富な澤の復帰はデータ的にも嬉しいですね。酸いも甘いも知り尽くした澤の存在は「なでしこ」にとって非常に心強いのではないでしょうか。
澤不在がチームにもたらした影響とは
また、澤不在によりチームにもたらされたこともあったようです。選出時には14選手(27試合)が得点を取っていたのに対し、不在時は22人(29試合)と約1.5倍の選手が得点を奪っています。同時に総得点も48点から67点に伸びています。 攻守の要を担っていた澤の不在でどんな変化が起きたのか、それをまとめたのが表2です。それまで澤頼みの部分もあった攻撃面において、各選手の意識の変化がうかがえるデータが出ています。特に阪口、菅沢、宮間らに大きな変化が見られますが、中でも、澤とともに主力として活躍していた阪口と宮間には期するものがあったのではないでしょうか。
ボランチの得点力が飛躍的に向上
前回大会で澤とボランチを組み、攻守両面で優勝に大きく貢献した阪口は「4点」から「7点」に得点数が伸びています。これまで澤が行っていた思い切った前への飛び出しは、この人の守備があったからこそ。澤の不在に伴い、自身も前へ出ることで持ち前の攻撃力を如何なく発揮。得点力のあるボランチに成長しました。本大会で澤とボランチを組む機会があるのか、注目です。 一方の宮間は、澤からキャプテンを引き継ぎ、ポジションでも澤不在時にはボランチに入ることが多く、阪口とコンビを組むようになりました。ボランチでは澤の穴を埋めるかのように攻守のつなぎ役として、そして本来の攻撃的ポジションでは自身が攻撃陣をけん引するという意識が芽生え、得点数が「1点」から「8点」へ飛躍的に伸びたのではないでしょうか。澤の復帰や宇津木の成長により、宮間を前目のポジションで使うことも可能になりました。ぜひ本大会では爆発してほしいものです。 (株)日刊編集センター