祖父母ともにがんで亡くなったので、20代のうちからがん保険に加入するか悩んでいます。まだ早いかもと思うのですが、がん保険の加入率はどれぐらいなのでしょうか?
(公財)生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」より筆者加工 「持家」と「借家」では、全体で8.2%の差があります。さらに、持家でも「ローンあり」と「ローンなし」との間には13.2%の差が生じています。ローンありの場合でも、住宅ローンの団体信用保険に「がん特約」などを付保することで、万が一の場合のローン支払いの負担を軽減することにつながるでしょう。 以上の調査結果を踏まえると、40歳代で世帯年収700万円以上1000万円未満、小学生以下の子どもがおり、住宅ローンを抱えている世帯が、一つのモデルケースとして、最もがん保険の加入率が高いことが分かります。
がん保険の特長
よく耳にする言葉ですが、以前は、がんは「死に至る病気」とされていました。しかし、昨今では医療技術の進歩などにより、罹患の部位や進行度合いによっては、治るケースも増えています。 また、健康保険等における高額療養費制度により、一定額以上の医療費の自己負担が軽減されるのも事実です。ただし、保険を完備することにより、精神的な心の支え(安心感)を得られる点は、保険全般におけるメリットの一つでしょう。 一般的ながん保険について、主な特長をおさらいしてみましょう。 (1)使用・使途が限定されない診断給付金(がんと診断された際に給付) (2)放射線・抗がん剤・ホルモン剤等に対応した治療給付金 (3)支給日数に限度がない入院給付金 (4)回数に限度のない手術給付金 (5)通院が必要となった場合の通院給付金 (6)先進医療を受けた場合の先進医療給付金 以上のような特長を生かして、入院日数の長期化や高額な医療費への対応など、がん治療に専念できる環境を作れることが最大のメリットといえます。
まとめ
がん保険に限らず保険全般にいえることですが、「万が一、不測の事態(例えば、病気・けが・火災など)が起きた場合に対処するための、十分な備え(お金)」があるのであれば、必ずしも保険加入が必要とはいえません。ただし、保険で備えることで、精神的な意味での安心感や前向きな捉え方を得られるのであれば、それは有効な手段であるといえるでしょう。 迷ったときには保険代理店などプロのアドバイスを受けつつ、それぞれの特長を理解したうえで加入の適否を判断しましょう。 出典 公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査 執筆者:高橋庸夫 ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部