AEDを市民が使用できるようになってから20年――Bリーグが「命を守る取り組み」を進化させる【バスケ】
“世界一安全安心なリーグ”に向けて弛まず進む
8月、スポーツセーフティージャパンの一原克裕氏、国士舘大学の曽根悦子氏、日本ストライカーの髙橋誠佳氏らが集まり、安全体制構築に向けての会議を実施。そこに島田慎二チェアマンも参加し、自らAEDの使用を体験し、訓練人形を使って胸骨圧迫訓練も行った。元々SCS推進チームへの取り組みを積極的に進めるなど、高い意識を持つ島田チェアマンは「元々救急救命やAEDに対しての関心がありましたし、学びたいと思っていました」と語ると、「実際に訓練をやり、オートショックAEDの性能を確認しました。そして、1分間で100回という胸骨圧迫の大変さを改めて痛感しました。(突然の心肺停止は)家庭内でも可能性があることですので、皆さんの知識、意識が高まることを願っています。いずれにせよ、なるべく早く対処することが大切。Bリーグとして、これでより安全な体制を作ることができると思います」と総括している。 救急知識を持つSFRという「人」、AEDやスパインボード(頭頸部を固定できるタンカ)などの「物」を揃え、EAPを常にブラッシュアップさせて「体制」を整えていく。これらが三位一体となることで、事故に対して安定的に対応することが可能になる。そして来場者も周囲を助けるくらいの知識、意識を持つことが理想だ。目指すのは、世界一安全安心なリーグ。たゆまず取り組みを続けるSCS推進チームにより、Bリーグは必ずやその高みに達することだろう。 取材協力=Bリーグ
文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)