【競輪】脇本雄太が紫で2度目の頂へ「髪を紫に染めてきたのと、ネクタイも紫で」~静岡グランプリ
◇KEIRINグランプリ2024(30日、静岡競輪11R・16時30分) 脇本雄太(35)=福井・94期=が30日、KEIRINグランプリに出場する。浮き沈みの激しい一年だった。3月に取手「ウィナーズカップ」を勝ち、賞金面では上位をキープしていたが、5月のいわき平「日本選手権」は腰痛が悪化し、無念の欠場。「精密検査をしたら、腰椎の靱帯(じんたい)に異常が見つかった」とのこと。「トータルでは苦しい一年だった。ピークの持っていき方は分かっているが、年齢なりにうまくいかないかも」。気が付けば、今回メンバーでは平原康多、岩本俊介に次ぐ年長。長く近畿の先導役として突っ走ってきたが、窓場千加頼や寺崎浩平の成長もあり、立ち位置も徐々に変わってきた。 盟友・古性優作と3年連続のタッグ。車番が9脇本、1古性なのも3年連続だ。普段はあまり験を担がないというが、やはりグランプリは特別。「髪を紫に染めてきたのと、ネクタイも紫で。9番車で2年前に初優勝したし、思い入れもある」。直前は古性らと岸和田競輪場で合宿を行い「古性君の調子も把握できた。福井に戻ってからは悪天候で思うようにできない時もあったが、状態が上がるようにやってきた」。3年かけて完成した新居には、ウェートトレーニングのジムも作った。「効果はこれからだけど、ジムでのトレーニングが足りていない不安がなくなったのは大きい。それはボクの精神安定剤みたいなものだから」。競輪選手としての完全形へ、一歩ずつ進んでいる。 11月の小倉「競輪祭」を勝って、調子を取り戻すとともに、究極の目標「グランドスラム」へ王手をかけた。残すは「全日本選抜」。来年2月の豊橋で、史上初の6冠プラスGP全制覇が見られるかも知れない。その歴史的な瞬間は、1番車のチャンピオンユニホームで迎えたい。決戦前日の夕方の指定練習では、冷えたバンクで半周10秒7。猛烈もがきで仕上げた。2度目の頂点へ、後は号砲を待つだけだ。 (村山 茂生)
報知新聞社