【MLB】 崖っぷちのアストロズ 菊池を明日リリーフ起用の可能性も 対するタイガースは“カオス”?
日本時間10月2日、今日行われたタイガースとのワイルドカードシリーズ第1戦に敗れたアストロズ。アストロズのジョー・エスパーダ監督は、第2戦にハンター・ブラウンを先発させることを発表すると共に菊池雄星の起用法にも言及。エスパーダ監督は「明日は生きるか死ぬかの試合だ。明日菊池を使わないといけないなら、私は明日菊池を使うだろう」とコメントを残した。 【動画】タイガース・スクーバルの好投 アストロズは今日行われた第1戦に1対3で敗戦。最大3戦・2戦先勝のワイルドカードシリーズにおいて、西地区覇者アストロズは早くも王手をかけられてしまった格好だ。追い詰められたアストロズは第2戦にハンター・ブラウンを先発させることを発表。ブラウンは今季31登板で11勝9敗、防御率3.49と才能を大きく開花させるシーズンを送っていた。 ブラウンが第2戦に起用されることになったため、菊池は第3戦に先発起用かと思われたが、そもそも明日勝利しなければ第3戦はない。エスパーダ監督は、明日勝利するためなら菊池の起用も辞さないという考えのようだ。最大3戦のワイルドカードシリーズでは、多くの球団がロスターにいれる先発投手は4人程度。しかし、アストロズは今日先発したフランバー・バルデス、救援したロネル・ブランコ、ブラウン、菊池、そしてスペンサー・アリゲッティの5人の先発投手を登録している。もし仮に菊池を明日使うことになったとしても、第3戦にはアリゲッティを先発させることが可能だ。それがアストロズが明日、菊池を切り札として起用することもできる理由だろう。 対するタイガースは、5人の先発投手を抱えるアストロズとは対照的に、正規の先発投手と呼べる存在が今日投げたタリック・スクーバルのみ。スクーバルの後は経験が浅い未熟な先発投手が主であり、タイガースはそういった投手をオープナーの後に付けたり、ブルペンデーに組み込んだりして起用してきた。このタイガースの型破りな投手運用は、番記者などからは“ピッチング・カオス”と呼ばれている。その発端はタイガースのAJ・ヒンチ監督がシリーズを前に「我々の計画は1戦目がタリック・スクーバル、そして残りは“ピッチング・カオス”」とコメントしたことにある。 実は、その“ピッチング・カオス”は成功を収めている。タイガースのブルペン陣は後半戦MLBダントツの345イニングを消化しながら、防御率3.00と優秀な数字を残した。一方でタイガースの先発投手陣が後半戦に投じたイニング数は242.1回でMLB最小ながら、防御率は3.32でMLB2位。先発・ブルペントータルで後半戦MLB1位の防御率3.31を記録しているのだ。トレードデッドラインで放出した先発2番手のジャック・フラハティ(現ドジャース)やセットアップのアンドリュー・チェイフィン(現レンジャーズ)ら、後半戦よりもタレントが揃っていたはずの前半戦のチーム防御率はMLB14位の3.97に過ぎない。 今日の試合後に第2戦の先発投手として発表されたのは、リリーフ左腕のタイラー・ホートン。第1戦の8回二死からワンポイントで登場した投手が明日はオープナーとして登場する。明日は予測も付かない“カオス”な継投が見られそうだ。運命を決める第2戦を取るのは、死物狂いの継投で挑むアストロズか、それとも計算されたカオスで挑むタイガースか。