【毎日書評】「いつも時間がない…」から解放される、スケジュールの組み立て方
「先が見通せない」から焦る
「時間がない」焦りを生み出す原因のひとつとして、「先が見通せない不安」もあるようです。なんらかの事情があって先の事情が立てられないとすると、予定を決めることを先送りにせざるを得ません。すると、予定が決まるまでは、いつまでも同じことを繰り返すことになります。 しかしそれは時間的にも精神的にも無駄であり、普段のパフォーマンス力を低下させることにもなるでしょう。 もしも、「いつ」かを決められないのであれば、おおよそでいいので、「○月△日に、やるかやらないかを含めてもう一度考える」と、前に飛ばしましょう。自分の意思でボールを前に投げるように「未来で待っててね!」とポジティブな気持ちで、そのやりたいことを飛ばすのです。まさに「決めるタイミング」を「決める」のです。(87~88ページより) この「決める」は、時間のコントロール権を握ること。先に予定を入れるとなると、多少の不安を感じるかもしれません。しかし先に予定を固定すれば、それをもとに今後の予定を決めていけるはず。そのため、悩まずに済むわけです。(87ページより)
「バッファ(余裕)がない」から焦る
なお、バッファ時間を設けておくと、さらに心のゆとりが持てるそうです。英語で「緩衝材」を意味する「バッファ」は、ビジネスの現場では「余裕を持たせる」という意味で使われます。最初からバッファをスケジュールに組み込んでおけば、遅れを取り戻すことができるわけです。 なお、ここではバッファ時間の設定方法が3パターン紹介されています。 まずは、「タスクごとにバッファ時間を設ける」パターンです。たとえば、見積もり時間30分のタスクに、10分のバッファ時間を組み合わせる」など。 次は「1日の最後にバッファ時間を設ける」パターンです。たとえば、「終業時間1時間前の17時~18時は、アポイントを入れない」など。 最後に、「1週間の最後にバッファ時間を設ける」パターンです。たとえば、「金曜日を丸々バッファ時間として、何もスケジュールを入れない」など。(91ページより バッファ時間は、締め切り間際に慌てないようにするだけでなく、不測の事態でできなかったことをする時間に充てることができるはず。また、やりたかったことをさらに進めたり、心のゆとりを生んだりもしてくれるでしょう。(90ページより)ω 本書で紹介されているのは、あくまで“自分にやさしい時間術”。必要以上に自分を追い込むのではなく、かといって自分本位な時間術でもない──。だからこそ、平易なことばで解説されたそれらは、説得力を感じさせてくれるのかもしれません。 >>Kindle Unlimited3カ月99円キャンペーン中【12/6まで】 Source: 日本実業出版社
印南敦史